表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/194

第14羽 前門と後門

ブクマと評価、感想ありがとうございます!!

めっちゃうれしいです。


 

 目指すは流されてきた川。木から木へと飛び移っていると……、ヒュンッ!!と何かが飛来する音が。

 すぐさまコースを変更し、余裕を持って避ける。

 飛んできた岩は射線上にあった大木をへし折って役目を終えた。

 下手人は後ろから追ってきている猿のようなゴリラのような魔物。サイズはトラックほど。

 こうなったのは少し前のこと。



 ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ 



 巣に帰る為には川をさかのぼる必要があります。木々が鬱蒼と茂った中、目的のものを探すのは視線が通らないので難しいのです。そう、上空から確認でもしない限り。


 雲一つない晴れ空に何もいないことを確認して危険を排除。飛び上がり、ぐるっと見渡せば一瞬でした。

 しかしそれは厄介事を招き寄せることになります。ホバリングする私に突如襲いかかる岩の砲弾。避けたところで飛んでくるへし折れた大木。川の方からは巨大な水弾。その他もろもろが襲来する。


 これはたまらないと急降下したところ、攻撃してきたであろう一匹に捕捉されてしまったというわけです。


 できれば戦いたくないんですよね。飛んでくる攻撃を避けながら思う。

 この猿ゴリラ、戦撃込みなら勝てそうなんですが単純なスペックはやはり負けています。不用意に空を飛んだだけで雨あられと攻撃がやって来たように周りに好戦的な魔物が多いです。一カ所に留まったまま戦えば、戦闘音で周りからわらわら別の魔物が集ってくるでしょう。そうして周りが敵だらけの乱戦に突入。事故の確率が格段に上がります。


 レベルは上げたいですが不用意な運ゲーは避けた方が好ましいです。漁夫祭りは嫌です。捌ききれなくなって、死にたくはありません。


 川さえ越えてしまえれば逃げ切れます。結構大きいですし、ワニっぽいのもいるのであの猿ゴリラでは渡れないでしょう。問題は川までたどり着けるかと、川を渡りきれるかですが……、猿ゴリラは私より速度があるわけでもないですし、度々足を止めて物を投げてくるので距離は縮まりません。


 渡りきるのは……、なんとかなるでしょう、多分。


 そんな事を言ってる間に川に着きました。とっとと渡ってしまいましょう。

 何かが飛び出してきても対処できるように水面から距離を開けて飛ぶ。高さは川岸にある木と同じくらいで。飛びすぎても厄介なので。

 四分の一も過ぎた頃には猿ゴリラも諦めたのか叫び声を上げるだけになっていました。

 と、水面に波紋が。そして影。急激に大きくなるそれに構えを取る。


 ――【側刀そばがたな】!!


 飛び出してきた影へと擦り上げるように蹴りを放つ。太陽がキラキラと反射するそれを猿ゴリラの方へと蹴り飛ばす。

 ……ワニではなく、巨大な魚でした。サイズは乗用車くらい?

 まあ、進行方向ととは反対に飛ばしたので、同じのにはもう襲われないでしょう。


 気を取り直して前に進んでいく。別のが飛び出してくるかも知れないので水面の注意は怠りませんが。

 半分は過ぎたでしょうか。後ろの陸よりも目の前の陸の方が心なしか近いような気がします。


 ――ッ!!!


 嫌な予感を覚えて咄嗟に急停止すると同時に、目の前の水面が爆発。

 弾ける水しぶきを避けるために後ろに下がる。水に濡れて体が重くなってはマズいですからね……。


 視線の先は水中……、では無く上空。そこには翼をはためかせこちらを睨み付ける存在が。

 翼竜と言えばわかりやすいでしょうか。さっきの水面の爆発はこいつのブレスですね。あのまま進んでいたら大けが、もしくは水面に叩きつけられてまともに飛べなくなっていたでしょう。


 そんな中、新たなお客さんが。


 ――嘘でしょう!?


 体を捻って水中から飛び出してきた魚をなんとか受け流す。どうやら懲りずに追ってきたようです。


 ここは川のど真ん中。

 上空に翼竜、水中に巨魚。

 ……あの猿ゴリラと戦った方が良かったかも知れません。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ