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第93羽 崩壊の序章

合計100話突破!

皆さんのお陰です!ありがとうございます!

 

 呼吸を整え終え、大樹に向けて飛んでいるときに轟音と共にそれは起こった。


「そんな……!? 一体何が……!!」


 大樹の巨大な幹、その頂上付近の一角が突如として一点に向けて縮んで行くようにゴッソリと消え去ったのだ。巨大な幹の一部が球状にくり抜かれたような異様な様相を為している。その部分は生えた枝ごと消え去っており、生地を型抜きされた様にぽっかりと空間が生まれてしまっている。削られるのを(まぬが)れた外側の幹が辛うじてそこから上の部分を支えている状態。このままでは穴が開いた所からへし折れてしまうかもしれません。


 そして周辺にあふれ出す濃密な魔素。この感覚は覚えがあります。確か霊峰ラーゲンで……。


 いえ、それよりも頂上に伸びた枝の根元には私達の家があります。そこには弟妹達が今も居るはず。


 もし、なにかあったら……!!

 胸の中心を風が吹き抜ける様な焦燥感を感じるままに、急いで『氣装纏鎧(エンスタフト)』を施し、翼で空気を叩きつけ姿がかき消えるほどの勢いで加速した。



 現在の高度から水平に大樹に向かい、幹の側に着くと直角に上昇していく。上の巣に向かっている途中、どこからか声が聞こえてきた。場所は……、ポッカリとくり抜かれた大きな穴の底から。誰かがいる……?


「大変だったんですよぉ!コアイマに捕まったり、天帝が帰ってきたり、その子供に蹴り飛ばされたりして!!それなのに護衛がいつの間にか消えてるってどういう事ですかぁ!!」


「いや〜、面目ないでござるよ〜。質の良い野草の宝庫だったので目を奪われてしまって。あとちょっと、あとちょっとと採取していたらたらつい……でござる」


「つい……じゃ、ないですぅ!!」


 この声はリブと……他に誰かいる? 確認した方が良いでしょうか?

 迷いが生じる。先に巣を確認するか、リブの動向を確認するか。


 ……今のところ巣に大きな変化は無さそうです。これ以上変なことをされて状況が悪化しては堪りません。先ずは怪しい行動をしているリブとその仲間らしき声を確認することにしましょう。

 穴の側に居ることから原因はおそらく彼女たち。魔素が溢れている理由も聞かなければ。


「ねえ、聞いてる? おーい」


「…………」


「そこで何をしているのですか?」


「げげ!!」


「…………」


 立っている2人を上から見下ろす私にあからさまに嫌そうな態度をとったリブ。そして、姿を見せる少し前から沈黙を保ちだした声の主。先ほどの声からおそらく男性。


「この穴は貴方たちの仕業ですか? できるなら即刻戻しなさ――――!?」


 背後から悪意を感じてすぐさま振り返り、『無明金剛(シラズガナ)』で受け流す。下手人はさっきまで下にいたはずの男性。いつの間に!?

 戸惑っていても身体は自然と動いていた。体勢を崩した男性にカウンターの突きをお見舞いしてやれば、金属質な感触が。防がれましたか。

 しかし相手は私を攻撃するために空中に居る。簡単には身動きが取れないはず。チャンスです。

 追撃を仕掛けようとすれば、下手人は落下しながらナイフのようなものを数本投げつけてきた。嫌な予感に追撃を止めて回避すれば、背後に突き刺さった場所から煙が立ち上る。

 毒ですか……。それもかなり強力な。さっき野草がどうとか言っていたので魔法毒ではなく、物質毒でしょう。『呪術耐性』で防げません。厄介な。


「ちょっとぉ!!防がれてるじゃないですかぁ!」


「面目ないでござる。殺気は出さなかったはずでござるが……」


 殺気……。確かに全く感じませんでした。私が悪意に敏感でなければ、さっきのは防げなかったかもしれません。この人、危険です。

お久しぶりです。

いつもご愛読ありがとうございます!

最近ワンコの調子が悪く世話にかかり切りになっておりました。眠気には勝てず……。更新が遅れて申し訳無いです。

ゴールデンウィーク中に締める予定だったのですが間に合いませんでした。不甲斐なし。

もうちょい続きます。最近の悩みはワンコの調子と遅筆です……。

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