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「あのさぁ……あんたら、何か後ろ暗い所有るだろ」

 調査は遅々として進まず、とうとう、野口の弟を使って、俺が居る親父(オヤジ)の知り合いの別荘の物置に、例のミニコミ誌の編集部員の1人を御案内するしか無くなった。

「な……なに……を……言って……」

「何で、このノートPC、パスワードがかかってんだよ? 何か表沙汰に出来ないデータが入ってるって証拠だろ?」

「……えっと……普通、パスワードをかけるモノ……」

「普通じゃねえよッ‼」

 俺は、蹴りと共に、その編集者に「お前はどれだけ異常なサイコ野郎なのか?」を教えて差し上げた。

 編集者は縛り付けられている椅子ごと倒れかけ……。

「おっと……」

 仲間の1人の山下が、情報源が頭を打って死なないように椅子を背後(うしろ)から支えた。

「……パスワードを言えば……いい……の……か?」

「『いいんですか?』だろ」

 竹刀がヤツの顔に命中。

 どうせ、こいつは父親にだってブン殴られた事が無いんだろう。

 だから、礼儀知らずな口のきき方をしてるに違いない。

 代りに俺達が教育してやる必要が有る。

 いい齢して甘ったれた人間を矯正するのは俺達善良な市民の義務だ。

 ぶん殴られずに一人前になったヤツなど居ない。

 俺達は、こいつの父親の代りに、こいつをブン殴ってやってるんだ。

「恨むなら、お前をネグレクトしてたお前の親を恨め」

「……え……? 何を……言って……うぎゃあッ‼」

 ……中々、口の固いヤツだったが……1時間後には……パスワードを自白(ゲロ)してくれた。

 だが……。

「おい、やっぱり、お前ら、何か後ろ暗い所が有るだろ。何で、デスクトップに何もファイルが無い?」

「……」

「答えろッ‼……肝心のファイルはどこに有る?」

「…………」

「あのなぁ、映画やドラマやアニメだったら、普通は重要なファイルをデスクトップに置いとくモノだろ。何で、デスクトップに何も無い?」

「……………………」

「暗号化でもしてるのか? なら、どうやればファイルを見れる?」

「…………………………………………」

「何か答えろよッ‼」

「……………………………………………………………………………………」

「あの……緒方さん……」

 何故か、山下が真っ青な顔になっていた。

「どうした? 気分でも悪いのか?」

「こいつ……死んでませんか?」

「えっ……?」

「いや……どう見ても……」

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