表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/69

(10)

「あの……すいません、これ、明らかに拘禁反応じゃないですか?」

「い……いや……でも、昨日の日中に逮捕して、何も取調べは行なっていませんが……」

「え? 逮捕して1日経ってなくて、まだ取調べもしてないのに、これって……ありえますか?」

「でも、事実として、こうです。尿・検査・毛髪の全てから既知の違法薬物は検出されませんでした。洗脳・精神操作に関しても、ほぼ、行なわれていない模様です……ですが……」

 あれ? 何だろう?

 警察の制服の人と……背広のおっちゃんが何か話している。

「貴方の公選弁護人になった立石といいます。よろしく」

「は……はい……」

「容疑の数が……あまりに多いので、う〜ん……本来なら、弁護団を組む必要が有るんですが……」

「じゃあ、そうして……くだ……さい」

「貴方……いわゆる『人権派』の弁護士を袋叩きにした事が何度も有ったでしょ? 比喩的な意味じゃなくて」

「はぁ?」

「だから……関東難民受け入れ派だった人達を……その……悪い友達とね……」

「えっ……おれがやったのは……あくまで……おんとうな……」

「この辺りで……貴方みたいな人でも手弁当で弁護してくれるような弁護士なら何人かは居ますよ」

「じゃあ、そのひとたちを……」

「だから、そんな弁護士が弁護出来るのは『貴方みたいな人』であって貴方自身じゃないんですよ」

「いみが……わかりません」

「この辺りの……いわゆる『人権派』の弁護士の何人かは……貴方を弁護したくても、貴方の顔を見るだけでパニック障害を起こすんですよ。貴方が散々やった『悪い遊び』のせいでね」

「やめろ、クズ野郎ッ‼ 貴様の『正義の味方』の手先かッ‼」

「えっ?」

「ああ、ようやく判ったぞ。今まで、俺にマウント取る為に、訳の判んね〜事を偉そうに言ってた奴が、あんなにも沢山居た理由がッ‼」

「だから……何を……」

「俺が頭が悪いせいで、お前の言ってる事が理解出来ないんじゃない。お前は、わざと意味不明な事をしゃべってるだけだ。はい論破ぁ〜ッ‼」

「あ……あの……意味不明な事を言ってるのは、貴方ですよ」

「ううううるせえ……俺が何も気付いてねえとおもってんのかこのくすやろう……はあはあはあ……おいなにかへんなくすりもっただろいきぎれがするどうなってるだんだんいきぐるいくああしんぞうがとまる」

「落ち着いて……ゆっくり呼吸。あの……誰か医療スタッフ呼んで下さい……」

「うがががが……」

「はい、おちついて、ゆっくり呼吸」

「なななにがおつついてだ……はあはあ……ぜいぜい……おおおお俺を洗脳するつつつもりだろう……洗脳して……俺に『自分は馬鹿だ』と思わせたいんだろう……。きゃはははは……その手には乗らんぞ。俺はクソ妹より頭がいいんだ。親父の跡を継いで市長になるのは……妹じゃなくて俺だ俺だ俺だ俺だ俺俺俺俺……」

「だから、貴方には、その妹さんを殺した容疑がかかってるんですよ。正確には、山程有る容疑の1つですけどね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ