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「すいません、証拠は上がってるんです」

 ポキっ♪

「さっさと自白してもらえませんか?」

 ポキっ♪

「あの……古賀さん……僕達は、貴方が憎い訳じゃないんです」

「いや、俺は憎いぞ」

 ポキっ♪

「えっと……それはともかく、少しぐらい、僕達に歩み寄ってもらってもいいじゃないですか……」

 ポキっ♪

「娘さんピアノが御上手だそうですね……コンクールに何度か入賞したって……」

 ポキっ♪

「あ……あの……左手の指は……ちゃんと適切な治療をすれば元に戻るような折り方を心掛けましたが……これ以上、僕達に御協力いただけないのであれば……あの……右手の指は……その……すいません、僕、こう云うの慣れてないんで、話がくどくなりましたね。僕のミスです、ごめんなさい。手短に言いますね。ちゃんと真実を貴方の口から言ってもらわないと……娘さんは、今後、左手だけでピアノを弾く事になりますよ」

 「見習い」の誠実で穏当な説得の結果、虚ろな目になって床に座り込んでいた古賀は首を縦に振った。

「おい、撮影開始だ」

「はいッ‼」

「ああ……そうだ……君達の言う通り、私は……『正義の味方』を名乗るテロ組織の一員だ……」

「じゃあ、『正義の味方』どもの本名と住所を言え」

「知らない」

「知らない筈が有るかッ‼」

「言いたいんだが……」

「すいません、それを言ってもらわないと……困るんですよ」

「い……い……言えない……知らない……判らない……」

「駄目ですね……」

 「見習い」はクリムゾン・サンシャインのマスクをしたままなので……顔は見えない。

 だが、声からして「打つ手なし」と思ってるのだけは判った……。

「そうか……洗脳だ……ひょっとしたら脳改造かもしれない」

「ああ……そ……そんな……ここまで来て……。ああ、『正義の味方』を名乗るテロリスト達が、僕達のクリムゾン・サンシャインを殺した証拠が、もう少しで手に入る所だったのに……」

「どうすればいいんだ……あと一歩だったのに……」

「でも……『正義の味方』を名乗るテロリストの一員が市長になるかも知れない……そんな危険な事態だけは……防ぐ必要が有りますよね……ちょっと待って下さい」

「どうした?」

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