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「えっと……お前の事は何て呼べばいいんだ?」

「そうですね……『見習い』でどうですか?」

「見習い?」

「僕なんかが、あのクリムゾン・サンシャインの名前を名乗るなんて、おこがましいですから……」

「ぎゃあああッ‼」

 次の瞬間……市役所の職員の悲鳴。

 突如現われて、俺を助けてくれた「もう1人のクリムゾン・サンシャイン」が無造作に市役所の職員の1人の鼻をもぎ取ったのだ。

「そこで腰を抜かしてる職員の皆さん、御協力、お願いします。副市長は、どこですか?」

「執務室の筈ですッ……場所はッ……」

 どうやら、副市長は人望が無いようだ。

 なら、次の市長選挙は……俺の圧勝だろう。

 ざまぁモノのラノベみたいな展開だ。

 副市長側に付いた親父の後援会の連中め……俺が市長になったら、関東難民どもと一緒に久留米から追い出してやる。

「御協力ありがとうございます。でも、救急車を呼ぶのは……最低でも二〇分後にして下さいね♥」

 そう言って立ち上がった「見習い」の足下には、見せしめで拷問された……両目を潰され、両手の指を全部折られ、鼻と両耳をむしり取られた市役所の職員が横たわっていた。

 そうだ……。

 俺達は鬼でも悪魔でも無い。

 俺達には正義なんて無い。

 つまり、「正義の暴走」なんてしない。

 独り善がりの「正義」に取り憑かれ……どんな悪人よりも残酷な真似をやらかす事もない。

 この死体……あ、まだ生きてるか……こそ、その証拠だ。

 現実的かつ理性的かつ男らしく、犠牲は必要最小限で済ませている。

 そして……俺と頼りになる「見習い」は……副市長の執務室へと向かった。

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