1つの希望
「カイトさんのお母さんの魂を……ですか?」
「うん、出来る……かな?」
「出来る事は出来ます。でも、わたしはしたくありません。ごめんなさい」
ユナはぺこりと頭を下げた。唯一の期待が無くなり、何とか出来ないかと詰め寄った。
「し、したくはないってどう言う事?何か理由があるの?」
ユナは下を向いて声を小さくして言った。
「わたしは時々魂さんとお話をするのですが、あんな事が無ければとか許さないとか他の方を恨む言葉ばかりで……。亡くなった方は何かしら未練を残します。それを聞いていい気持ちになるかと言われると……その……」
段々と小さくなる声に僕はユナの優しさを感じ取った。
『ユナさんは僕の事を気を使ってくれてるんだ。でも、それでも……』
「それでも僕はお願いしたいんだ。今まで言えなかった「ありがとう」の一言だけでも伝えたいんだ。お願いします」
僕は深く頭を下げた。ユナの優しさを知ってお願いするのは心が痛いが伝えたいと言う気持ちは本当だった。
「わ、分かりました。じゃあ明日、今日と同じ時間にここに来てくれませんか?」
僕は下げていた頭をバッと上げた。ユナさんが神様に見えた。
「本当にいいの?」
ユナはにっこりと笑った。
「はい!カイトさんがそこまで言うなら」
「ありがとう!!」
僕はユナの手を握ってブンブンと振った。
「ちょっとカイトさん!手!」
ユナは顔を赤らめながら小声で言った。自分が女の子の手を握っている事に気付いた。
「あ、ご、ごめん!」
「い、いえ!あ、カイトさんのお母さんとの思い出の物も持って来て下さいね!」
僕はドキドキしながら帰った。
自分の好きな展開だけを書きまくってる為、めちゃくちゃテンション高めで書いてます。暖かい目で見てくれたら嬉しいです!
書いてる自分はめちゃくちゃ楽しいです