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幼馴染は唐突に

その翌日からお母さんに楽をさせる為に頑張っていた勉強を辞め、学校に行くのも辞めた。完全に僕の生きる目標を失っていた。何に対してもやる気が起きない。全部失った気分だった。


 翌日、学校から電話が掛かって来た。相手は学校の担任の先生だった。


「もしもし?カイト君?先生なんだけど、大丈夫かな?先生カイト君のお母さんが亡くなったって聞いて、心配で電話しちゃったんだけど、体調はどうかな?」


「……」


 「お母さんが亡くなった」と言葉を聞いて、僕は何も言葉が出なかった。「大丈夫です」の一言も出て来なかった。


「学校も無理して来なくていいからね?何時でも来てくれるの待ってるから!あ、来るときは連絡してね?この電話番号にかけてくれたらいいから!」


「……はい」


 精一杯振り絞った声がそれだけだった。電話を切ると昨日と同じように布団に潜った。昨日病院から帰って来てから何も食べていない。お腹は空いているはずだが、食欲は一切無かった。

 お父さんが亡くなって、僕に不自由させない為に頑張っているお母さんの為に勉強を沢山して、良い所に就職してお母さんを楽させる為に頑張って来た。しかし、お母さんはもういない。その現実がまだ僕は受け入れられなかった。


「これからどうしたらいいんだ……」


 僕はこれが悪い夢でありますようにと願いながら目を閉じた。


 ピンポーンと家のチャイムが鳴る。外を見ると夕日が沈みかけていた。周りを見ると、夢でない事を悟り心の中が暗くなった。僕は出るのが嫌でベッドに潜った。


「もう僕に構わないでくれよ……」


「おーい!カイト!いるのは分かってるんだから出てきなさい!」


 ドアをドンドンして叫んでいるのは僕の幼馴染のルリだった。出ないでこのまま過ごそうと思ったが、このままだとお隣さんに迷惑がかかるから嫌々ながらドアを開けた。


「何だよルリ……。僕の家はアパートなんだからうるさくしないでって言ったじゃん」


 ルリは僕の顔を見るとニッコリ笑った。


「良かった。カイト元気ないんじゃないかって心配したんだからね」


 カイトは元気な訳無いだろと言いたかったが、ルリが本当に心配してくれている事は分かったからそれは言わないことにした。


「じゃあ、お邪魔しまーす」


「あ、ちょっと!勝手に入るなよ!あぁ、もう靴ぐらいちゃんと並べて入れよ……」


 ルリは僕の制止を聞かずに家に入った。ぐちゃぐちゃになった靴を並べてため息を付いてリビングに行く。


「カイトはちゃんとご飯食べてるの?」


 ルリの言葉にギクッとした。食べてないと言ったらうるさく言われそうだったから僕は嘘をつくことにした。


「当たり前じゃん。ちゃんとご飯は食べてるよ」


 その時ぐぅ〜とお腹が鳴った。タイミングが最悪だった。


「ほら!やっぱり何も食べて無いんじゃない!カイトの事だから食べて無いと思った。はい、これ材料」


 テーブルに乗せられた材料を見ると、一つの料理が思い浮かんだ。


「これって、カレーの材料じゃん」


「そう!前にカイトのお母さんと一緒に作って食べたじゃん。作れるでしょ?アタシも手伝うからさ」


 ルリはキッチンにあるエプロンを付けて料理をする準備をした。


「は〜や〜く〜!こっちは準備出来てるんですけど〜」


「僕作るなんて言って無いんだけど……」


 僕はとぼとぼとキッチンに向かった。


「完成〜!!いやぁ〜、思ったより上手くいったんじゃない?」


「ルリは包丁の使い方怖すぎて結局混ぜただけだけどね……。不器用なんだから今度から包丁持つの辞めてね」


「し、仕方がないじゃん!包丁なんて使った事無いんだから!ほら!そんなことより食べよ!アタシ部活終わってから何も食べて無いからお腹空いたよ〜」


 ルリはカレーを皿によそおってテーブルに持って行った。


「カイト早く早く!」


「はいはい。今行くから」


 いざカレーを目の前にすると、お腹が鳴って唾液が出てくる。体は食べ物を欲しがってるらしい。


「じゃあ、いただきまーす!」


「いただきまーす」


 お母さんが作ったカレーに比べれば全然美味しく無いが意外と全部食べられた。

1話で辞めずに2話まで読んでくださった方。ありがとうございます!今回のルリちゃんですが、メインヒロインではありません!メインヒロイン2話になっても出てこないのかよ!って感じですが、もう少し……もう少し待って頂けると!タグを見てロリはどこだよって思ってる方、もう少しです。待っててくださいロリ好きさん。私も早く出したくてうずうずしてます。Byロリコン

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