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再会

「か、和也君!?何で……」


 突然目の前に現れた和也さんに園子さんは驚きの声を上げた。


「園子??僕の事が見えるの?」


「えぇ……。見えてるわ」


「やっと……。やっと気づいてくれた……」


 和也さんは園子さんに抱きついた。実体が無い為触れてはいないが、2人の間では温もりを感じていた。


「和也さん……!!何で急にいなくなるの!私はまだ和也さんとしたい事が沢山あったのに!」


 園子さんは叫んだ。今まで積りに積もった気持ちを全部吐き出してるように見えた。


「ごめん、園子……。僕も園子としたい事沢山あった。でも、出来ないんだ……。本当にごめん。後、ずっと園子に伝えたかった事があるんだ」


「なぁに?」


「今まで、ずっと好きでした。園子の事が大好きです」


「私も……和也さんの事が好きです。大好きです……」


 2人は抱き合いながら涙を流した。今まで伝えられなかった気持ちをを、和也さんが亡くなった後に伝える事が出来た。今までの僕だったら、亡くなった後に気持ちを伝えるのは意味が無いと思っていた。

 でも、お母さんを亡くし、ユナに出会い、お母さんと話したから分かる。気持ちは、いつ伝えられるのか分からない。突然死んで伝えられなくなる事もある。

 だから、亡くなったからって、もう会えないからって好きと言う気持ちを伝えるのは無意味だと言う事は無いと僕は思う。


 和也さんの光が段々と消えかかって来た。和也さんはそれに気付くと、僕とユナの方を向いた。


「カイト君。ユナちゃん。本当にありがとう。園子に伝えたかった事、伝える事が出来たよ。僕はもう満足だ」


 和也さんは涙を流していたが、どこか満足そうな顔をしていた。


「園子。僕の作ったマグカップを持っててくれてありがとう。捨ててもいいよって言ってたのに」


「捨てられる訳無いじゃない。だって、和也さんが私の為に作ってくれた物だもの」


「後、そのマグカップ。僕のお墓に置いてくれないかな?園子からのプレゼントだから、側に置いて欲しい」


「分かった。じゃあ、和也さんが作ったのも置いておくわね。2人が寂しくならないように」


「じゃあ、お願いするよ」


 和也さんはにっこりと笑うと光と共に消えた。園子さんは涙を拭いてにっこりと笑った。


「和也さんが言ってたの。私には泣いて欲しくないって。笑っている顔が見ていたいって。なら、笑ってお見送りしなきゃじゃない」


 僕は泣きそうになりながらユナの方を向くと、ユナがプルプルと震えていた。


「ゆ、ユナ?震えてるけど大丈夫?」


 ユナの顔を覗いたら、涙がポロポロと溢れていた。


「だ、大丈夫です……!!涙が……止まらない以外は……」


 園子さんはユナからマグカップを受け取り、ユナの涙をハンカチで拭いていた。


「もう、何で私より泣いているのよ……。でも、ありがとう」


 園子さんはユナを抱きしめて涙を流した。

この話で和也と園子の話は終わりとなります。少しでもいい話だなと思って頂けたら幸いです。まだ続きますのでネクロマンサーちゃんは届けたい!をよろしくお願いします!

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