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間接キス

僕がブラックコーヒーを飲んで苦い思いをしている横でユナは初めて飲むイチゴミルクに感動していた。


「カイト君!カイト君!このイチゴミルクって言うのとっても美味しいのです!カイト君も一口どうですか?」


 ユナが僕の方にイチゴミルクを差し出したが、このまま飲むと間接キスをする事になりそうになるので断った。


「本当に美味しいから!ほら!騙されたと思ってカイト君も飲んでみてよ」


 僕の前にイチゴミルクの入ったコップが差し出され、断るに断れず少しだけ飲んだ。イチゴミルクの味は間接キスのせいで味が全くしなかった。


「ね?美味しいでしょ?」


「う、うん。ユナちゃん、こう言う事は異性にしちゃいけないからね?」


「ん……?何でなのですか?もしかしてイチゴミルク嫌いでしたか?」


「いや、そう言う事じゃ無いんだけどね……」


 ユナに間接キスと言う勇気がある訳も無く、曖昧に注意するだけになってしまった。ユナは頭にハテナを浮かべていたが和也さんは察しているようだった。


「やっぱり苦かったでしょ?」


 突然園子さんが僕に声を掛けて来た。僕がブラックコーヒーを飲めないんじゃ無いかと心配して見ていたらしい。


「はい……。僕にブラックコーヒーはまだ早かったみたいです……」


「そんな君にはい、これ!」


 園子さんがテーブルに置いたのはミルクだった。


「これを入れて砂糖を入れると君でも飲めると思うよ。試して見て?」


「あ、ありがとうございます……」


 僕がコーヒーにミルクと砂糖を混ぜていると、園子さんが質問して来た。


「何でブラックコーヒーを頼もうと思ったの?君まだ若いように見えるけど」


 和也さんがここでブラックコーヒーを飲んでるからとも言える訳が無く、無難な答え方をした。


「僕の知り合いの方がここのブラックコーヒーを飲んでるみたいで……。自分も飲んでみようかなって思って……」


「そうなんだ。ブラックコーヒーは大人になってから美味しく感じるものだから気にしかくていいと思うよ。でも、私の知り合いは大人になっても飲めなかったんだけどね……。その人もミルクと砂糖を沢山入れて飲んでいたの……。その人に飲めないなら飲まなくていいって言ってるのにね。君が入れたコーヒーだからどうしても飲みたいって言ってたの。ね?バカでしょ?飲めないものをわざわざ飲むなんて……」


 園子さんは涙を浮かべていた。和也さんの方を見ると和也さんは優しい顔で園子さんを見ていた。僕はこの時に園子さんは和也さんの事を言っている事に気が付いた。

間接キスってどんなタイミングでするんですかね。私はした事ないので妄想で書きました。妄想、タノシイ。次回もよろしくお願いします

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