初めての魂との交流
「あ、あの……すみません」
内心ビクビクしながらも、ユナにああ言った手前、ビクビクしている姿を見せる訳には行かず、声を掛けた。
「君は……。僕の事が見えるのかい?」
その男性は眼鏡を掛けていて、よく見たら物腰が柔らかそうな人だった。
「は、はい。見えてます。僕と隣にいるユナちゃんも」
「あなたは、魂さんで間違い無いですか?」
ユナがずいっと前に出て来て、眼鏡を掛けた男の人に質問した。
「魂?ま、まぁ僕は死んでるから多分そうだと思うけど……」
眼鏡を掛けた男の人は戸惑いながらもそう答えた。
「ほら!聞きましたか!わたしが言った事に間違い無いのです!」
こっちを向いてドヤ顔をするユナの頭を撫でたら嬉しそうに笑った。それを見ていた眼鏡を掛けた男の人は声を掛けられたが何に付き合わされてるんだと言わんばかりの微妙な顔をしていた。
「あ、あの。僕を呼び止めたのは何なんですかね。冷やかしなら早く帰って欲しいのですが……」
「ち、違います!冷やかしじゃ無いんです。貴方が言った通り、魂と言うなら何か未練があると思うんです。その未練を僕達はどうにかしたいんです。その為に声を掛けたんです」
僕は真剣な顔で言った。
「僕にはね、どうしても伝えたい人がいるんだ。その人に言う前に事故で死んでしまってね……。それが僕の未練なだと思う」
そう話してくれた眼鏡の男性の人は和也さんと言うそうだ。
「和也さんが伝えたい人は今どこにいるのか知ってるんですか?」
和也さんは指を指すと一軒の店があった。
「あそこのカフェで働いている園子って言う子がいるんだけどね。その子が僕の前を通る度に声を掛けるんだけど、いくら声を掛けても気づいて貰えなくてね……」
「じゃあ、園子さんに和也さんの気持ちを伝える事が出来ればいいんですね」
「そんな事が出来るの?」
「わたしに任せて下さい!だってわたしは、ネクロマンサーなのですよ!」
ユナはドヤ顔をして、にっこりと笑った。
更新から1ヶ月経っていました……。やっと書く気が出てきたので、また読んで頂けたら嬉しいです!




