#5 前回の違和感に気付いたかい?
展開がいきなりすぎるけど許して...
「さて、何もない家だけどゆっくりしていってよ」
「「いや、だから嫌味かよ!」」
家の中に入った優樹達はどう見ても豪華な室内なのに
そう言ってのけるマルクスに少々苛ついてる模様。
「さて、先ずは紅茶でもいかが?」
「…意外…こんな所に住んでるから…メイドにでもやらせるのかと思った…」
「ははは、僕はこういうのが好きでね、料理なんかも僕がしたりしてるよ」
「…ふぅん…」
「はは、反応が薄いなぁ、もっと何か言ってくれてもいいんだよ?」
「…そう?…それじゃぁ…」
優樹はお茶を啜ってから…
「…なんで"俺"から"僕"に変わってるのかな…?」
「ッ!?」
優樹は眼を細くしてそう聞いた。
優樹は身長が低い上に童顔な為、睨まれても迫力はない。
しかしなぜマルクスが驚いているかというと…
「…ねぇ?奥に隠してる"もう一人"…そっちとお話がしたいなぁ…?」
「……はっ、ははは、ハハハハハ!
いや驚いたな坊ちゃん、最初見た時から思ったが
やっぱりただ者じゃねぇな…何だ?」
優樹の質問を受け、笑い出すマルクス。
最初に会った時の様な口調に戻っている。
…そう、まるで"別人"のように…
「…僕は見える、そういうものが」
「ははっ、そうかい、そうさ、俺は二人いる…
正確には俺の心が二つあるって言った方がいいか?」
「…やっぱり」
そう、彼は二重人格なのだ、
しかも現代地球にあるような不安定な物ではなく意図的にコントロール可能な物だ。
「これが俺の元の人格、いや少し違うか、だがまぁこっちが俺の本心というか本物だ
こっちはマルクスじゃなくてマルクって呼んでくれ」
「そう…それで…僕たちに何の用?」
「おっとその前に一ついいか?」
「…ん?」
「…その口調治したらどうだ?」
「…………」
マルクス…いや、マルクの言葉に優樹は
―――ニィ
「ッ!」
子供には不釣り合いな口角のあげ方に思わず後ずさってしまうマルク
「…いやぁ~、最初から見所あるとは思ってたけど
うん、流石俺の目、狂いはなかったね」
「正直この街で一番やばそうな奴だし
接触するか迷ったけどある意味当たりかもね。」
「だな、さてさてマルクさんや、いろいろ答えてもらえますよね?」
「ハ、ハハ、いや参った、降参だ。
だが俺も聞きたいことはある、ある程度は答えてもらうぞ?」
「構わないよ、元からある程度のことは言うつもりだしね。」
そう言って近くにあったソファーに腰をかけて話を聞く姿勢に入る優樹
「さて、それじゃぁまずはマルクが何者なのかを教えてもらえるか?」
「…マルクスの方じゃなくてか?」
「どっちも話してほしいかな」
「はいはい、じゃぁどっから話すかね…」
そう言って顎に手を当てて考えだすマルク
「…そうだな、まずはマルクスの話をするか
まず、マルクスはこの街の領主の息子という立場だな」
「成程、じゃあこの街では3番目ぐらいに地位があるって思っていいのかな?」
「いんや、俺の上に兄が2人、姉が1人、下には妹が一人いる」
「結構多いね、そうすると立場的には下の方なのか」
「まぁな、勿論貴族の息子なんで平民よりは偉いぞ」
苦笑しながらそう答えるマルク、きっぱり立場が下といわれては
そういう反応をせざるを得ないのだろう
「しっかしそういう中途半端な立ち位置だと面倒じゃない?色々と」
「…良く分かってんじゃねぇか、その通りだよ…」
「…うん、その偶に見せる虚無の顔のことも教えてくれ」
「…あぁ~、うん、まぁ後でな…」
遠い目をして生気のない表情をするマルク、
どうやらこっちでもこれは変わらないようだ。
何がマルクス達?をそうするのだろうか…
最近執筆以外をし過ぎて手が付かない...
序盤の悩みだけど書きたいストーリーの前の
導入というかそういう部分が書き進まないのよね...




