#3 街の入り口で面倒な事になるのもテンプレだよねっ☆
はいはい、作者ですよ~
タイトルがウザイって?やだなぁ、この程度で腹立てちゃこの先生き残れませんよ?
というわけで既に前書きも面倒臭くなってきた第三話、始まりマッスル。
「さぁ~って、街の前まで来たは良いけどどうするかねぇ~」
「なんでノープランなのよ…」
「だってどうするよ、身分証的なのが必要になったりしたら」
「その時は無くしましたって言うしかないでしょ…」
「だよねぇ…はぁ、うじうじ考えても仕方ないし取り敢えず行くか…」
「さっさとそうしましょ」
ダルパルトの街の前まで来た優樹達は、
門からそれなりに離れたところで悩んでいた。
というのも、普通に街に入る予定だったが、
身分証が必要な可能性に今更思い当たったのだ。
再発行等が出来たとしてもお金がないし、そもそもこの世界の人じゃない。
戸籍があるか分からないがそれを調べられたら
まず間違いなく面倒臭い事になるだろう、当然である。
だがいくら悩んだところで解決しないので先に進むことにしたようだ
「あ、でもあんたのその姿この世界じゃ珍しい気が…」
「あ、やっべ、完璧に忘れてたじゃん、あっぶねぇ…」
「よかったわね、誰かに見られる前に気付けて」
「あぁ、全くだ、マジで助かった、さんきゅ」
「どういたしまして」
優樹がリリスに感謝するとリリスは嬉しそうに答えた。
まるでネクタイのよじれを指摘してくれる奥さんのようだ、
二人はそうだとは思ってなさそうであるが。
そして優樹がその場でターンすると謎の光に覆われた後、見た目が変わった。
元の見た目が黒髪黒目のTHE・日本人という感じだったのだが、
今では金髪に緑の瞳、イギリス人に近い顔立ち。
そしてその体を覆う衣服は安っぽそうでボロボロな麻の服である
まるで農夫が着るような作業着の上にローブを羽織った感じだ
「これで問題なさそう?」
「えぇ、全く、ただ…」
「ただ?」
「どこからどう見てもお使いに来た農家の子供って感じですけどね!」
「うっさいわい!それはしょうがないだろ!
…ったく、まさかここで新たなデメリットが見つかるとは…」
笑顔で言うリリスにちょっとイラっとしながらそう呟く優樹
身長に関してはは元とあまり変わっていなく146㎝…146㎝!
そう、彼は元から低身長なのである!圧倒的に!
因みに優樹はこの事を気にしておらず、なんなら
「え?低身長だと低い場所に手が届き易いし小回りが利くぜ?
高身長目指す奴らばかりだけど低身長の利点を考えた事があるかね?」
といった感じで気にしていないどころか長所として捉えているのである。
実際彼は低身長を活かした動きが得意ですばしっこい、
ちょこまかと動き回って敵を煽る様は正にクソガキ!
精神年齢の低さも相まって素晴らしいクソガキムーブが可能なのだ!
しかし今回はその低身長がデメリットとなりそうである。
リリスが見たところこの世界の平均身長は凡そ190㎝である。
一般的な身長が高い故、146㎝だとどう考えても子供である。
この世界に適応すると…小学生レベルだ!笑えて来る!
10才位の少年が門を超えられるかといえば…門番による、と言ったところか
更に街に入るための問題が存在したことに頭を抱えざるを得ない。
しかし早く行かなくては何もしないまま日が暮れてしまう。
野宿は出来れば遠慮したい故何とか街に入らなくてはならない。
なので非常~に嫌そうな顔をしながら門へと歩を進める優樹。
「…ふぁぁ~…お?なんだ?こっちから来る奴は余り居ないのに、珍しいな」
あくびをしていた門番がこちらに気付いたようだ、
優樹は一瞬固まるが、直ぐに歩き出す。
「こっちには農村しかねぇからな…ってことはお使いかい?
えらいなぁ坊ちゃん、ただもう直ぐ日も暮れるから
今日は泊まっていった方がいいぞ、宿泊費はあるかい?」
かなり優しそうな門番である、気怠そうにしてはいるが
それなりに腕もたちそうだ、いつでも戦える姿勢を維持している
「…うぅん、ない、ごはんも、パン一切れしか…」
子供の演技をする優樹。
彼を知っている人が見たら爆笑すること間違いなしであろう
実際、リリスが遠くで笑い転げてる、苦しそうだ。
まぁそもそもリリスには呼吸が必要ないがそれは置いておこう
「…まじか、移動に掛かる時間を見誤ったか…?
それとも口減らし…?いや、それなら街に行けなんて言わないはずだし…」
余程いい人なのか考え込む門番さん。
しばらく考えた後、門番さんはこう口を開いた。
「よし、仕方ないから今日は俺んちに泊まれ、もう直ぐ交代の時間だからな
飯も食わせてやるから安心しろ、今日はゆっくりしてけ」
「!?…いいん、ですか…?」
「おう!兄ちゃんに任せな!これでも裕福な方なんだ!
腹いっぱい食わせてやるから安心しろ」
「…ありがとう…ございます…」
と言いつつも内心でほくそ笑む優樹、外道だ
「交代の時間になったら向かうからそれまでここで待ってな!
安物のお茶ぐらいしかねぇけど少しは安らぐと思うぜ!」
「ありがとう…ねぇ、もう一人…一人?呼んでいい?」
「んお?近くにもう一人居たのか?いいぜ。
ただ、何で疑問形なんだ?」
そう門番さんが聞くと優樹は両手を閉じ、そして開いた
するとそこから可愛い妖精さんが…
「こんばんは~!初めまして!門番のお兄さん!
私はリリスって言います!この子とお友達なの!」
リリスである、何やらぶりっ子をしているようだが
「……………」
門番さん、フリーズ。
当然である、いきなり目の前に妖精?が出てきたらビックリする
「…ハッ!いや失礼、珍しいものだからつい見とれてしまってね
成程、君は妖精と契約を結んでいるのか、通りで魔力が多いわけだ」
「えへへぇ~わかっちゃう?わかっちゃうかぁ~
そうなのです!この子とお友達になる代わりに助けてあげてるの!」
「ははは、良かったな坊や、こんなかわいい妖精と友達になれて
困ったら助けてくれる友達は大事だからね、大切にしなさい」
何処か達観した笑みでこちらを見る門番さん。
優樹とリリスは「あ、なんか有ったなこの人…」と思ったが言わない。
というか正直お互いのいつもなら有り得ないセリフにお互い
爆笑を堪えるのが忙しいのだ、頬がヒクヒクしているのが何よりの証拠。
「マルクス様、交代の時間であります、どうぞお休みに…おや
その方々はどちら様ですか?」
「ん?あぁ、如何やら宿に泊まれないそうなのでな、
家で持て成してあげようと思っているのだ」
「おぉ、流石マルクス様、この様な得体の知れない子供にすら
手を差し伸べてあげるとは…いや、全く流石衛士長と言わざるを得ませんね!」
「よしてくれ、あまり褒めらえるとくすぐったいからな…
さて、待たせたね君たち、私の家に案内しよう」
巡回の兵士がやってきて声を掛けた所で優樹の存在に気付いた。
なんか明らかに媚を売っているあんまりいい感じのしない奴だ。
実際、優樹達を見る視線は侮蔑が含まれている。
しかしマルクスと呼ばれた門番…いや、衛士長と呼ばれていたので
この街の衛兵の中で一番偉いのであろうが、そのマルクスは
相当人がいいのかそれともスルースキルが高いのか気づいてない模様。
「はい…ありがとうございます…っ」
「ありがと~!この子ったら世間知らずだから
どの位お金がかかるとかわかってないのよね!
まぁ私もこの子とずっと一緒だったからわからないんだけどね!」
無駄にくるくると回りながらぶりっ子口調で喋るリリス。
優樹の全身がプルプルと震えているので大分限界のようだ。
なので優樹は念話でリリスに話しかけた。
(もうやめろぉ!俺の我慢が限界に達する前にやめてくれぇ!)
(だが断る。)
(チクショォメェェェ!)
濃ゆい顔のイメージと共にリリスが断ると優樹は総統閣下になった
注意書き通りしっかりパロネタ出さないと詐欺になっちゃうからね!()
こんな感じでちょくちょくネタが入ってくるけどまぁ気にするな。
何処までもマイペースに行くので覚悟して次話をお楽しみに~




