#11 はいきました、テンプレですね!
なんか気分が乗って結構早くかけた。
もっと長くしたいけど、キリがよかったので。
「さて、じゃあ早速自分のも見てくれ。
あぁ、別に俺に見せなくても良いぞ?てか普通は見せないからな。
俺の場合はもうほぼ話して、大した問題じゃないし見てもらうのが一番早いからな」
「了解、態々ありがとな」
「なに、気にするな」
そう言って早くしろとばかりに手を払うマルク。
「じゃあ...『ステータスチェック』」
そう唱えると優樹の前に先程のウィンドウが現れる。
しかし、それはマルクの物とは違い、優樹の内容となっていた...
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Name:秋星 優樹
Age:1▯8
Gender:Male
Job:Arch Wize Lv.[ERROR]
Level:[ERROR]
Skill:[EROOR]
Extra:[ERROR]
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「...なんじゃこりゃぁ?」
優樹はたまらず気の抜けた声を上げた。
「ど、どうした?なんか靴の裏に動物の糞とも食べかすとも分らん
謎の物体が付着していた時みたいな反応は」
「わかるけど分かりづらい解説どうも!」
マルクの微妙で絶妙なたとえに、ツッコミを入れる優樹。
「...ん~、まぁ今更か、定番ということで受け止めよう、うん、そうしよう!」
「よかったわね、異世界でステータスを測ったらバグってしまうテンプレに出会えて!」
「全くうれしくないがな!」
満面の笑みで皮肉を言うリリスと、顔を引きつらせる優樹。
「...どういうことだ?何か異常があったってことか?」
「あぁ...まぁそんなとこだ...」
「そりゃまた...本当に規格外だなぁ...今までそんな話聞いたこともないぞ?」
「しょうがねぇだろ、事実なんだからよぉ...」
当たり前だが、ステータス表示がバグってしまうのは今までで一度もなかったそうだ。
「...はぁ...まぁいい、それより、詳しくはわからねぇから、いくつか聞くぞ?
まず、大体予想が出来る事だが、"Job"ってのはなんだ?」
「"じょぶ"...?あぁ、職業の事か、人によっては職業って表示が"じょぶ"って見える場合があるそうだ。
これは異世界から来た人に限定されるそうだがな、何でもお前らの世界だと職業って意味なんだろ?」
「あぁ、そうだ、で、職業ってのは、何か特別な意味があったりするのか?」
「あぁ、お前たちの世界でどうだったのかは知らんが、こっちだとちゃんとあるぞ。
職業によって、能力が上下するんだ、例えば俺みたいに衛士長だと、
力が強くなったり体が頑丈になったりする。
他にも、魔法系の職業なら、魔力が強くなったり、教会系の職業だと
主に精神力が強くなったりと、色々変わるな」
「なるほどねぇ...しかしそりゃまたどういう原理で?」
「これもまた神から聞いた話を又聞きしただけだけど、
全体的に魂に作用するんだと、その魂が体にも影響を及ぼすらしい。
力だと、筋肉と魔力が混じって強くなる上、単純に"うんどーえねるぎー"とかいう
なんかが増幅されて結果的に力が強くなるんだとか、
頑丈さなんかも、骨や皮膚に魔力が混じって頑丈になるだけじゃなく、
その"うんどーえねるぎー"とやらを軽減する事ができるそうだ。
そういうのを、勇者が持ち込んだ言葉だが、"STR"とか"VIT"とかいうらしい、
正式名称は忘れた、長いからみんなそう呼んでいる。
他にも、"MEN"とか、"INT"とか色々あって、それぞれ"精神力"と"魔力"の事らしい」
「...ツッコミどころがいくつかあるが、細かい事は気にしないようにしよう...」
正式名称は間違いなくStrong・Vitality・Mental・Intelligenceだろう。
ゲーム用語を異世界に持ち出して来た勇者...オタクであることは間違いなさそうだ。
それに、INTは知力の事で、決して魔力ではない、適当である...
「...ん?さっきからちょこちょこ思ったんだが、結構昔から勇者を召喚していたんだよな?」
「ん?あぁ、そうだぞ、大体...7000年程前からかな、何度も呼ばれている、
因みに、このSTRとかを普及したのは今から約6200年程前の勇者だな」
そうしてマルクが答えるとみるみる優樹の顔が青くなっていった...
それだけではなく、息苦しそうに胸を押さえている。
「...どうした?腹でも痛くなったか...?」
唇さえも真っ青にし、呼吸困難で今にも意識を失いそうになり...
「安心しなさい、"時間軸のずれはないわよ"」
リリスのその一言で何とか意識を保った。
「大体私がそんなことを考えないと思ったの?
時間軸がおかしい可能性は最初から考えてたわ、
だから"あの時"から全く同じ時しか進んでないわよ。
だから安心しなさい、私がいるんだから」
リリスがそう言うと、徐々に優樹は息を整え、顔に赤みが戻ってきた。
「...すまない、少々取り乱した...だが大丈夫だ」
「本当に大丈夫か?辛いなら少し休んでもいいんだぞ...?」
マルクが本気で心配した顔をしながら問いかける。
「あぁ、大丈夫だ、リリスが問題ないというなら問題ないさ」
「そうか?また気分が悪くなったらいつでも休めよ?」
「ありがとう、お前って結構優しいんだな?」
「うるせぇなぁ...これでもお人好しのマルクスで通ってんだよ...」
「あはは、それはマルクスだけの話じゃないのかい?
君は悪の...いや、言い方が悪いか、黒い感情を元に存在するんだろ?」
「あぁ、そうだな、だがそれでも元がマルクスだから善の心は残ってる。
俺が言うのもなんだが...あいつは重度のお人好しだからなぁ...
悪感情の俺にさえ引き継がれてる、全くどんだけだよ...」
照れているのであろう、バツが悪そうに頭を掻いてそっぽを向いている。
そんなマルクスに優樹は苦笑しつつ、話を戻した。
「さて...まぁレベル&スキルシステムのことはわかったが...
他に何かあるか?」
「まぁ色々あるな...一般常識がメインだが...長くなるぞ?」
「別にいいさ、どんどん教えてくれ」
「あいよ...こりゃ今日は寝れなそうだなぁ...」
こうして二人はこの世界の事を学び続けた。
それはマルクの言葉通り、夜が明けるまで続いたのだった...
なんか意味深ワードが出てきましたね?
まぁそれは追々触れます、伏線ってやつです。




