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第二話 状況把握

(ステータス!)


 俺はスライムを経験奪取したときのステータスの変化を見ることにした。


【名前】-

【種族】スモールホース

【レベル】1

【種族レベル】1

【ステータス】360 +100

・HP100/100

・体力100/100

・攻撃力20

・物理防御力20

・魔法防御力10 +100

・素早さ40

・精神10/10

・知力50

・魔力10/10

【種族スキル】暗視 危険察知

【スキル】+隠密レベル3 分裂

【加護】女神の加護


 魔法防御力が100増えたのと、隠密レベル3が追加された。

 多分魔法が効きにくく、隠れて植物を食べるのだろう。


(分裂はスライムの特権じゃないのか?)


 あのスライムのステータスが気になるが、踏んづけられて死ぬようなスライムを食っただけでステータスが上がったりスキルが増えるのは大きい。


 ステータスを見終わったので、取り敢えず分裂を試してみる。


(分裂!)


 自分と瓜二つの馬が出来ると思ったが、ひどい頭痛に襲われた。

 ステータスを確認すると体力とHPが10減っていた。


 まぁ、常識的に考えて馬がスライムみたいに分裂が出来るわけ無いよな。

 分裂が使いものにならなかったので少し落ち込みながら森を進んだ。


 しばらく歩くと茂みの奥に小さな物がいた。

 近づいて見るとそれは、棍棒と小さな紫色の石を持っているゴブリンだった。


 俺と目があったゴブリンは奇声を上げながら棍棒で殴りつけてきた。

 俺は咄嗟に地面を前足で蹴り、棍棒を避けた。

 そして後ろ足で地面を蹴り、両前足で二体のゴブリンを踏みつける。


 何度も踏みつけると完全に動かなくなった。


 馬の体には完全には慣れていないが、簡単に殺せたということは俺はやはり強いのかもしれない。

 少し良心が痛んだが、生き残るためには仕方が無い。


 まず、紫色の石を調べてみることにした。


 地面にあると見にくいので、舌で持ち上げて木漏れ日に照らして見ることにした。

 宝石にしては少し透明度が低いような石だった。


 するとその石が舌を転がり、口の中に入り飲み込んでしまった。

 直ぐに吐き出そうとしたが、その必要は無かった。


《レベルアップしました》


という無機質な声が聞こえたからだ。


 レベルアップ……という事はあれか? 

 この石は異世界の定番の魔石だったという事か?


 一応ステータスを見ると、魔力が10増えていた。

 もしやと思いゴブリンの死体を慣れない手つき(手じゃないが)で探ってみると魔石があった。

 結構グロかったが、血は出なかったのでまだマシだった。


 魔石を二つとも喰うと、レベル3になった。


 それから俺はゴブリンを見つけては狩って魔石を喰らい、見つけては狩って魔石を喰らいを繰り返し、時には犬と狼の間のような魔物──コボルトを狩った。


 コボルトは群れでいたので、はぐれているやつを狙った。

 群れは流石に死ぬ確率があるからだ。


 コボルトに足をかまれた時は痛みに転げ回ったものなんとか倒して、狩ることに夢中になっていて気付くともう暗くなっていた。


 俺には暗視があるので別に不便はしないが魔物が減ってきたし、危ないので止めることにした。


 この時点でのステータスはこんな感じだ。


【名前】ー

【種族】スモールホース

【レベル】9

【種族レベル】1

【ステータス】

・HP280/40

・体力280/70

・攻撃力65 +70

・物理防御力65 +70

・魔法防御力55 +140

・素早さ130 +20

・精神55/55

・知力140 +20

・魔力100 +340

【魔法】無し

【種族スキル】暗視 危険察知

【スキル】隠密レベル3 分裂

【加護】女神の加護


 といったふうにめちゃくちゃ伸びていた。


 ゴブリン合計29+1体とコボルト2体を倒した。

 ここまでくるまでに分かったことがいくつかある。


 レベルアップの際にHPは10、体力は10、攻撃力は5、物理と魔法防御力のそれぞれが5、素早さが10、精神力5、知力10、魔力10が上がった。

 レベル2になるときだけは何故かこの二倍だった。

 レベルアップの初回特典だろうか。


 それから、経験奪取をするとプラス値になるという事だ。

 何かスキルに頼ってる感が凄い。


 途中で分かったのだが何故かHPと体力と精神力は奪えなかった。


 なんとなくだが経験奪取を使うと、1/10位ステータスを奪っている気がする。


 経験奪取の有用性は理解出来たのでこの辺で寝ようと思う。


 寝ているときに殺されないように、木に登って寝ることにした。

 何度も戦ってこの体に慣れて、レベルも上がったからか木に登るのに苦労はしなかった。


 流石に夢オチではないだろうと思いながらこの世界に来て初めての睡眠を取った。

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