ウサギとマジ勝負
だいぶ期間が空いてしまって申し訳ありません。
少し調子が悪い時期が続いていました
これからまたちょっとずつ書いていければなと思っています
それでは本編お楽しみください
~次の日~
学校を終え、昨日のようにグライディオへログインする
きょうも昨日通り宿題をするつもりでメビウスのアカウント共通ファイルを開くと
学校からの宿題とその上にユイ先生からのメールが入っていた
送信者:玉崎 結衣
件名:今日は仕事が多くてゲームにはいけません
本文:ごめんね!(><;)
というシンプルなメールだった
先生は来ないらしいので、今日は俺がやりたいことを存分にすることにしよう
まあとりあえずは宿題だな
今日の宿題は割と早めに終わった
オズワルドのほうはこの状況になれたようで、きょうはニンジンをせがんではこず、最初の1本を食べ終えると、ベンチのある広場をぴょこぴょこ歩き回っていた
たまに通りかかった通行人からなでられたりもしていた
宿題も終わったことなので昨日の黒本の続きをよむことにした
ゲームに来ての読書というのもまた味があっていい。内容のほうは穏やかになりそうではないが
二章の内容は気配と殺気の操作の修行法
最初にすることは気配の操作練習らしい
気配とはその場の空気においての、音、しぐさ、発言、行動、気迫などによって決まるその人自身の一時的な存在感とのこと
始めはまず、自分が確実に勝てる敵で気配を察知されないようにする練習をするらしい
ということはここじゃ練習できなさそうなので、外へ行くことに
気配を殺す基本は音をとにかく出さないことらしい。
人間もそうだが多くの生き物において音は視覚の次、もしくは一番重要な感覚情報だかららしい
町の外に出て一度だけ戦ったことのあるミニラビを探す
少し先の草むらにミニラビが3匹固まっているのがみえた。
本で読んだ練習法を思い出しながら近づいていく。
まず音を出さないことを念頭に置き、次に背後、および死角から近づく
死角がない場合は何かで気をそらすことが有効らしい
今回はミニラビから見て俺とは反対の方向にコインを投げ、石にコインが当たった音でそちら側に気を向けさせる
これでミニラビに背後ができた
ここで気配を殺しながら一気に距離を詰め、ミニラビを後ろから攻撃する。暗殺者のスキルの効果で
攻撃の威力が上がり、2匹を倒すことができた
最後の1匹はこちらに気づいて攻撃をよけられてしまった
後ろに1本木があるがここから身を隠すのはさすがに無理がある
仕方がないので通常の戦闘をすることに
本には通常の戦いに持ち込まれたときは今度は逆に気配を察知する練習をすると書いてあった
相手の気配を読んでそこから次の攻撃が分かるようになるまで避け続ける
と、文章では簡単に書いてくれるもののこれがまた難しい
ミニラビは小さくても野生動物。それなりに瞬発力があってよけにくい
回避補正も切ってあるからこれは完全にプレイヤースキルでの勝負となる
そんなことを考えながらミニラビに向き直って飛んでくるミニラビを避けた
そういえばこのミニラビ、最初の攻撃を避けたのからして思うに個体として強い
攻撃にしても緩急の付け方がうまい。初めて俺が戦ったミニラビと戦っている感覚とはまるで違う
とりあえず俺は気配が感じ取れるようになるまでこのミニラビと戦い続けた
本には目をつむって相手の場所が分かるようになるまで気配察知の練習をするといいと書いてあった
とりあえず途中で目をつむってみたのだが、場所が分かるどころか、攻撃すら避けられなかった
そんなことを続けて約20分ミニラビにスタミナの限界が着たようで攻撃の速度がじんわり下がってきた
実のところ俺も疲れてきたのでここらでいったんストップをかけようと飛んできたミニラビをつかんで座らせてニンジンを与えておく。きょとんとしているミニラビはニンジンとオズワルドに任せておいた
俺も座ってポーションで体力を回復する
肝心の気配のほうは少しだけ感じるようになってきた。言葉で表すならば俺の5、6メートル後ろの木から一人分の気配をうっすら感じるく、ら......ん?一人の気配?
そちらのほうを向いてみるとなんか木の影からこちらのほうに熱烈な視線を送ってくる女の子が一人
あちら側もこっちが見ているのに気づいたらしく一旦木に隠れてまたそろーっと顔を出すといった行動をした
「そっから気づくんだ......」
「え、ええまぁ」
女の子はおそるおそる近づいてきて俺が座ってる横にストっと正座した
「あの......なんでしょうか」
とにかく気まずいので俺から言葉を発することにした
「えっと、お兄さんはここで何してたの?」
とても返事に困る質問が来た
「何といわれましても......修行と答えたらいいのでしょうか」
「紳士服来たお兄さんが修行って、とっても違和感あるね。というかミニラビ相手にこれだけ本気で戦ってるのも珍しいしね」
まったくもってそうである。しかし禁書といわれるまでの本をおいそれと他人に見せるわけにもいかない
「そうですね......」
「ところで、そのウサギは触ってもいいの?」
どっちかっていうとこの女の子ウサギみてたな。うん、だってめっちゃ触りたそうにうずうずしてるもん。
絶対ウサギ好きだよね
「片方は野生ですが、十分気をつければいいんじゃないでしょうか」
「じゃあ触る」
短い返事とともに女の子はゆっくりミニラビとオズワルドに手を伸ばした
「モフモフ気持ちい......」
ミニラビも野生ながら、敵意がないのを早急に察知しておとなしくなでられている
どちらとも気持ちよさそうである
特にオズワルドはなでられるのに慣れたのか手と足を投げ出してデローンとリラックスしている
「ん?パートナー?」
ずっとなでているとどうやら女の子のほうにミニラビからパートナー申請が来たらしい
「ん、これからよろしくね」
女の子は申請を承諾したようだ
「名前、どうしよう......あ、お兄さん良いのない?」
ふむ......いきなり振られても困るが......
「性別はどちらでしょうか?」
「んっと、女の子みたい」
となると......
「ローレットなんてどうでしょうか」
「うん、いい。ローレット。あなたはこれからローレット。よろしくねローレット」
そういいながらローレットとなずけられたミニラビを撫でた
「そいえば私お兄さんのこととっても気になる。フレンド登録して?」
と女の子のほうからいきなり切り出された。しかしまあ最初のうちは人とのつながりがあって損はないと聞いていたし、特に断る理由もない。
「分かりました。私の名前はライデル・オーウェン。これからどうぞよろしくお願いいたします」
「私はMilyよろしくね、ライ兄って呼ばせてもらうね。私はミーちゃんって呼んで」
「わかりました。ミーさんよろしくお願いします」
そういうとミリーに腕を抱きしめられた。
「ミーちゃんって呼ぶまで放さないもん」
振り払おうとしても頬を膨らましながら必死にしがみついてくる
かわいいのやら大変なのやら。ともかく
俺のフレンドに個性的な一人が追加された瞬間だった
面白いと思っていただけましたら、評価のほどよろしくお願いします。





