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暗殺紳士  作者: 銀の明星
本編
11/19

謎の黒本

ユイ先生とともに図書館へ入る。

中へ入ると、すぐ横にカウンターがあり司書の人が座っていた


「すみません。図書館内はパートナーって連れて回ってもいいですか?」


「ええ、構いませんよ」


「分かりましたありがとうございます」


そのまま図書館の奥に入っていっていろいろと見て回る

個人的には職業的にステータスの上昇が見込めないので、技術で補うしかないため、剣術書なんかを探してみる


剣術書入門、剣の基本、女性のための護剣術、

いろいろある

その中の一冊を手のにってみて少し読んでみる


剣、それを扱うにはまず筋肉!何よりも筋肉が大事である!

…………

パタン......

俺はその本を静かに閉じて本棚に戻した

俺が求めているのはどこかの脳筋が書いた筋肉辞書じゃない


他の物を探しているとこんなものがあった

「力の弱い人にお勧め、軽力剣術」

これはどうだろうか

今は読むより借りたい本を探すのが先だろう


次は......これだな

「護身武器の基本と応用について」


後は......

「裏職業への警戒方法と遭遇時の対処法」


こんなもんでいいだろう

この3冊をカウンターに持って行って借りることにした

カウンターにいる司書の人に本を渡す


「この3冊ですね。貸出期限は2週間です」


「ありがとうございます」


そういって去ろうとした俺を司書の人が引き留めた


「ところで、あなたはそのような身なりで、戦う必要があるのでしょうか?普段は詮索しないのがルールですがどうしても気になったので聞かせていただきます」


司書の人は眼鏡を光らせて俺に聞いてきた


「確かにそうですね、私の第一職業は紳士。ですが第二職業は暗殺者です、みだりに人を殺すことはありませんが、護身のすべだけは身に着けておくべきだと思いまして」


そういうと司書の人は真剣な顔つきになった


「そうですか。ではなぜ私にあなたが暗殺者であることを明かしたのか教えていただけますでしょうか?普通裏職業というのは市民から忌み嫌われ、信用を失う職業。信用を捨ててまで私に職業を明かした理由を教えていただけますか?」


「ええ、あなたは私が今信用を捨てたといいましたしかしそうではないのです。私は信用を得るために必要なのは、隠し事をしないということだと思っています。そして信用は自分の行動で取り返せるもの。ですから私は暗殺者であることを明かしました。信用を得るために自ら明かせばその真意を知ってくれる人が増える可能性が高くなります。そういった理由から私は暗殺者であることを隠すことはしません」


そういうと司書の人はそうですかといい少し考えて一つの結論を出した


「なるほど分かりました。それではあなたにとある本をお渡ししたいと思います。少しお待ちください」


そういって司書の人は本棚の奥へ消えていった

数分後戻ってきた司書の人の手には黒い本が収まっていた


「これは私からあなたへの信用の証です。ほとんどの国では禁書とされていますがこの国ではとある条件のもと貸し出しを行っております。貸出期間は無期限です。この本の内容をぜひあなたのものにしてください


何がどうしたのかはわからないが、俺はタイトルもわからないその本に何故か惹かれるものを感じ、気づいたときには司書からその本を受け取っていた


「さてと、先生はどこでしょうか......」


自分の本を探すのに夢中で先生を見失っていた。

俺は計4冊の本をインベントリにしまってユイ先生を探すことにした


ユイ先生は意外と早く見つかって産業系統の本のコーナーにいた


「こんなところにいたんですか」


「あ、オー君借りたいのは借りれたかな?」


「ええ、なんか謎な本一冊もついてきましたけど」


「へぇ~」


不思議そうな課ををして返す先生


「そういえばユイ先生はなぜこのコーナーに?」


「えーと、この国での産業とか生産品の作り方とかを調べてたよ」


「なるほど」


「そういえばあと20分ほどでログアウトの時間だし、私は外で本を読んでるけどオー君はどうする?」


「私もご一緒させていただきます」


「わかったー」


外のに出て近くの噴水公園のベンチに座る

先生はさっき借りていた生産の本を読んでいた

俺はとにかく気になっている黒い本を開くことにした


開くとこそこには『暗殺秘術』そう書いてあった


そして本の初めの内容は要約するとこうだ

この本には私が以前ジパン極東天皇国で出会ったニンジャという職業の人物に見せてもらった影分身なるものを自己流で再現した『分影歩法(ぶんえいほほう)』の習得の流れを記してあって、私自身はこれの習得に1年をかけた。しかしこの本を読み、理解し、実行できるものは習得に1か月かかるかかからないかぐらいだろう。そしてこの技を覚えるにあたって身に着ける技法はどれも暗殺者にとって大きな力となるはずだ


本編の内容の要約はこうだ

一:分影歩法の根本 

・分影歩法とは字に書いて読む通り影を分けるように相手の感覚をかく乱し、さも自分が何人にも分かれているかのように見せる歩法。


・根本は暗殺者の基本的な技術である殺気と気配の操作。


・気配と殺気を自分の通った場所に残してとどめることによって相手の意識の一部をそちらに向け意識を分散させることにより 錯覚を起こす。錯覚により相手に自分が複数人見えているかのように見せることができる

・欠点もあり、相手が殺気と気配を感じ取れない場合はこの歩法は効果がない。理由は気配と殺気を感じないものはそもそも錯覚を起こさないから。例はゴーレムなどに代表される感情を持たなず気配に鈍感な非生物

・逆の殺気と気配に鋭敏なものにも効果がなく、こちらは錯覚こそ起こせるものの、気配や殺気の少量の違いを見破り本体を攻撃してくるから


さっと初めのほうを読んだ感じではこうだった。


二はまだ見ていないが、暗殺者にとって役に立つ技術が手に入りそうである

さらっと読んだつもりではあるがもう20分経っていた


「さて、そろそろ私はログアウトかな~」


「お疲れ様です」


「オー君も夜更かしはしちゃだめだぞー?」


「ええ、分かってます」


今夜は先生と一緒にログアウトすることにした


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