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巻きぞえアリスの異世界冒険記。  作者: 冬野夏野
始まりの章
26/53

いざ!イベント会場へGo


ダンジョン探索日の早朝。

朝陽が射し込むカーテンを開き、雲一つない晴れ渡った青空に向かって両手を上げて伸びをした。


「おはよう、早く芽を出してね」


珍しくルームメイトのルーチェよりも早く起きた私は気持ちの良い朝陽を浴びながらまだ芽の出ていない小さな植木鉢にじょうろで水を撒いた。

そして昨夜準備していた鞄の中身がきちんと入っているか見直した。

ワルツさんがくれた釣竿は入れっぱでジルベルトさんから授かった7つ道具も全てしまった。ちなみにこの釣竿の糸は切る力には滅法弱いが引っ張られる力には異常に強い素材で出来ているらしく、釣り以外にも使い道がありそうだ。


どうやらいくら荷物を入れても重さに変化がないことに気がついた私は一応何かあった時用の衣類とお金、現代から持ってきた鞄にワルツさんに押し付けられた魔法陣の本も突っ込んだ。

そして今日の勝負服としてリシェットさんが作ってくれたカッコ可愛いセーラー風ブラウスにキュロット風ズボンを合わせて、編み上げブーツを履いた。

いつもと同じように髪を2つに結った後にこれまたリシェットさんが用意してくれた水色のリボンをつける。

そして最後には触り心地の良い生地で出来た黒いハーフコートに腕を通した。





「完っ璧!!可愛いっ!!服がっ!」


そうやって鏡の前でクルリと回って自画自賛した際、かちゃりと首元から下がる呪いのネックレスが揺れた。












ー巻きぞえアリスの異世界冒険記26ー












「和さん、くれぐれも気をつけてくださいね」


部屋を出る際にとても心配してくれるルーチェは昨日帰ってきてからずっとこの調子だった。

襲われたことも伝えてあるので私の身を案じて引き止める彼女には申し訳ないが、どうしても今日のイベントには参加したかったのだと伝えた。

ダンジョン探索がどんな感じかはわからないが、樹海探索らしいから学園で過ごすよりも襲う側の不審者には都合がいいのは想像できる。

それをわかってて行くってんだから我ながら頭が悪い…でもでも学園のしっかりしたイベントなので王国の騎士団も警備をしてくれるし、うちのパーティーにはカミルもいるからより見守られ度は高まって逆に安全では…!



「騎士団のお兄様にも守ってくださるようにお願いしました。本当は一緒についていきたいのですが…わたくしでは足手まといになるだけですから」


両手を握りしめて悔しげに俯くルーチェには悪いが、心配してくれることが嬉しくて思わず彼女の手を両手で包むようにぎゅっと握ってしまう。


「ううん!心配かけてごめんね、ありがとう!でも大丈夫だよ。絶対帰ってくるからルーチェにはゆっくり待っててほしいな」


「…はい、約束ですよ」


ようやく笑顔を見せてくれたルーチェにむしろお土産を持って帰ってくるくらいの余裕を見せてあげようと彼女の手を握りながら密かにそんなことを企てる。

ルーチェが喜んでくれる未来を妄想する私の首元にそっと小さな手が伸ばされ、ネックレスを優しく包み込む。

彼女にも一応呪いのネックレスの話はしたのだが、目が見えないせいか危機感のなさに思わず妄想は吹き飛び慌てる。


「ちょちょちょっ!呪われてるから危ないって!」


「心配ありませんわ。この子はちょっと意地悪なだけで、きっと和さんの力になってくれますもの」


「え〜…そうかなぁ…」


思い返せば痛い思いと、取れなくてとにかく邪魔な記憶しかない。時々不穏だし…。



「ふふふっ…大丈夫ですよ。わたくし目は見えませんが、見る目あるのですよ?」


悪戯っぽく笑うルーチェに改めて可愛いと同時に不思議な子だと思う。

どうして彼女にはこの呪いのネックレスが危険じゃないとそう言い切れる自信はどこから来るのか、謎ではあるけれど不安に思うよりはそちらの方が気持ちも軽くなるし、前向きに行こう。

そうしてる間に出発時間が迫っていることに気づき、私は慌てて部屋を飛び出した。


「それじゃ!ルーチェ!ベロニカさん!行ってきまーす!」


振り返れば手を振って見送ってくれる2人に大きく一度手を振って私は寮を後にした。













ダンジョン探索開始時刻は12時頃、参加者はそれまでに現地集合しなければならない。

パーティーに転移魔法が使える生徒を引き入れて移動するもよし。

移動魔法専門の魔法使いを雇って移動するもよし。

地道に徒歩や馬車で移動するもよし。

とにかくどんな手段を使ってもいいらしく、時間までに現地集合出来なければ参加できずに失格となる。

魔法の鞄は複数人で転移可能だが、一度も行ったことのない場所なので使えない。この鞄は一応誰でも使えるのだが、我がパーティーメンバーでシルフの樹海を知る人はいないので転移は帰りしか使えなさそうだ。

しかし心優しいリシェットさんがリーゼンフェルトへの買い物ついでに送ってくれるとのことで甘えることにした。

ぶっちゃけ王子であるカミルの権力を使えばあの手この手であっという間に移動することも訳ない事だろう。

しかしカミルの顔を見れば王族の権力に頼るのを嫌がってるのは明らかなので、私達は仲良く可愛すぎる姫馬車で移動するのだった。



「何なんこの馬車??えっすごない?こんなん初めて見たんやけど」


初めてこの姫馬車に乗り込んだテオは実に反応がいい。彼も貴族なので結構いい馬車に乗る機会はあれど、やはりおとぎ話に出てくるようなメルヘンな馬車は新鮮なのか、非常に落ち着きがない。


「変わってるとは思っとったけど君ホンマに何者なん?お姉さんもめっちゃ美人さんやし、実はお姫様やったりするん?」


まぁ、側から見れば私は明らかに普通ではないだろうから些か大袈裟な反応だが、テオが疑問に思うのは仕方ない。

ジルベルトさんの立場的に正直どう説明したものかと悩み、ちょっとテオの冗談に乗って設定を盛ってやろうかと悪戯心が疼く。


「ははは、実はわた」


「まぁ、そんな訳ないわなぁ」


「えっちょっ、自分で言ったくせに否定するの早すぎない?」


ジルベルトさん関連の話を避けられたのは幸いだが、食い気味でこの反応は腑に落ちない。


「だって君、庶民臭すごいんやもん〜〜…でやっぱ庶民以外の何者でもないやろ?」


「わかってんなら最初から聞いてんじゃねー!!」


「ほらぁ、そーゆーとこやで?和さんのお里が知れますわなぁ」


「ぐぬぬ…」


「あ、でも今日の服装は洒落てるわ。可愛いで」


「あっマジ?へへへっ…テオも今日は神官っぽくてカッコいいよ!」


「姉ちゃん、チョロくない?」


とこんな茶番を隣に座るテオと繰り広げていると、斜め前で爆笑するニールの声がとても煩わしい。別に笑われてもいいが、その相手がニールなのが気に入らない。

しかしそれよりも眉間に皺を寄せて明らかに不機嫌そうに私をジト目で睨みつけるカミルが気になって仕方ない。

笑うどころか、うんともすんとも喋らないで押し黙っているので非常に気まずい。


「………」


「…えっとぉ…カミル…君?」


「……フンッ」


「…ごめんて…」


おずおずと話しかけてもプイッとそっぽを向いて拗ねた子どもみたいにむくれている。

彼が不機嫌な理由は昨日の夜に会った時を思い返せば大体想像がつく。

私が彼の手紙の忠告を無視して帰って来たことを怒っているのだ。

昨日の夜も『帰ってきちゃった♡』とおちゃらけて見せたら頭を叩かれた上にめちゃくちゃ怒られて、直ぐに謝ったものの彼の機嫌は治らずに現在に至る。

ニールはその事情を知っているから苦笑いで済んでいるが、事情を知らないテオは不思議そうに私とカミルを交互に見ては小首を傾げる。

やがて不機嫌王子に感化されて誰もが口を閉ざすと車内は重苦しい沈黙に支配された。


馬鹿な…私は皆で楽しく冒険をしたかったから戻ってきたのに、何でこんなギスギスする結果になったのか…。

そんなお通夜の状態の馬車内とは打って変わって、窓の外は色鮮やかな可愛らしい花畑が広がる。

そんな絶景がよく見える見晴らしのいい小高い丘までやってくるとリシェットさんは馬車を止め、馬車のドアを開けると持っていた大きなバスケットを胸の前で掲げる。




「皆様お腹空きませんか?良かったらここでお昼にいたしましょう」


少し恥ずかしそうにはにかむ彼女の提案で空気の美味しい穏やかな風の吹く丘にシートを広げて、リシェットさんが用意してくれたお弁当を囲む。

サンドイッチやベーグルなどのバンズに何かの肉厚ハムやチーズなど、好みに合わせて色々挟めるように沢山の具が紙箱のお弁当に可愛らしく詰められている。

他にも唐揚げに揚げポテト、サラダやミートパイにフルーツパイ、トマト風味の具沢山スープが温かいまま味わえ、お弁当のクオリティーがスゴくて感動を覚えるくらいだ。



「わぁーい!美味しそうっ!いただきますっ!!」


とにかくリシェットさんが作ってくれたお弁当はひたすら美味で、これにはむくれていた王子も食べる度に表情がコロコロ変わる。

美味い美味いと言って食べるテオとニールを見ていると自分が作ったわけでもないが、非常に嬉しく誇らしい気分になった。

好意で街から相当離れているシルフの樹海に送ってくれるだけでなく、この人数分のお弁当を作ってくれた慈愛の女神リシェットさんには後で死ぬほど感謝しなければとサンドイッチにかぶりつこうとした時、近くにそびえ立っていた木から黒い何かが私の手からサンドイッチを奪い去って行った。




「あーーっ!!私のサンドイッチっ!!」


「見事に掻っ払われたなぁ、どんまい姉ちゃん!」


「鴉やなぁ…こんな木も餌もなさげな見晴らしのええトコにもおるんやね」


そう、泥棒の正体は小柄で真っ黒な鴉だった。

街中ではよく見かける鴉がこんな木が一本しか生えてない小高い丘にいるなんて不自然がすぎる。

というかあのやたらと毛並みのいい鴉見覚えが…まさかね…。

気を取り直してバンズにハムやチーズに葉物野菜を挟んだベーグルバーガーを作って改めてかぶりつこうとした。

しかし私がかぶりつく前にまたも凄まじい速さで私の手元からバーガーが消え去る。


「……」


カァーカァ〜と馬車の上で私を笑うように鴉が鳴いている。その脇には先ほどまで私の手の中にあった包み紙に包まれたバーガー。

その後もミートパイ、唐揚げ、揚げポテトも口に運ぶ前に奪われた果ては流石にこれは大丈夫だと踏んでいたスープに手をつけると、鴉は臆する事なく私の肩に乗ってスープを突き始めた。

この横から楽しみにしていたおかずやデザートを掻っ払われる光景には覚えがあった。

ジルベルト家での食卓で隣に座る悪魔に毎回おかずやデザート、果ては3時のおやつを横取りされた時と全く同じだ。


「……そっかぁ…そういう事か」


「カァーっ!」


ギロッと私を睨むあまりに堂々とした図々しい態度の鴉が変身しているフォルカさんであると悟った私は大人しく減って行くスープを見つめた。

フォルカさんに借りを作った末路がこの現状だ…何も言うまい。

大体美味しい所を食べ尽くした鴉は僅かなスープだけ残して馬車の上に戻って行った。


「えっ何?姉ちゃんあの鴉飼ってんの?」


「まぁ…知り合いというか…先輩というか…」


「鴉の先輩って何なん??」


「とにかく私より高位のお方なの…」


さっきまで飯を奪われていく様を大爆笑していたニールもテオも流石に私が哀愁を漂わせていたせいか、笑うのをやめてたまに哀れみの目で見ては静かになった。

唯一サラダだけは奪いに来ないフォルカさんのお陰でとてもヘルシーな昼食だった。


最後のデザートとして残っていたフルーツパイを手にすれば、背後からそれを狙う気配がして咄嗟にパイを庇ってしまう。

すると直ぐ背後まで迫り抵抗する私の肩に乗った鴉は耳元で囁くようにカァーと鳴いた。

それが私には『対価…』とフォルカさんの囁き声が聞こえてくる。

私が窮地に陥った時大体フォルカさんに助けてもらっているが、彼には無償で私を助ける優しさなど持ち合わせていない。

そのため彼に大きな借りを作った私は対価として飯を持ってかれるのである。

仕方ないとは言え、あまりに無慈悲すぎて泣けてくる。

しかしフォルカさんがわざわざ鴉に化けてまで今日付いてきているのは私の護衛目的かも知れないので、安心安全と引き換えに私は泣く泣くフルーツパイを包み紙にくるんだ。

包み紙ごとフルーツパイを奪い取られた後、シュンと落ち込むも場の空気を再びお通夜状態にするのも気が引けた私は『花畑見てくる…』と適当な紙とリボンを手にその場を離れた。








「はぁ…リシェットさんの極上フルーツパイ…」


きっちり4等分に分けられたフルーツパイを他の人物が口にしていたら、絶対に恨めしげに見てしまう。

皆にも食事は楽しんでほしいから今日は我慢だ。むしろご飯で守ってくれるフォルカさんには感謝しなければ……はぁ。

上がらないテンションのまま、リーゼンフェルトではお目にかかれない美しい花を摘んで可愛らしいブーケを2つ作る。

ベルティナ様とルーチェへのプレゼント候補としてピンクの花を中心に薄桃色と黄色い花を周りに散らして綺麗に見える角度で丸く固定する。

ラッピング用紙として持ってきた適当な紙に手を乗せて純白の包み紙を思い浮かべながらゆっくりと手を横にスライドさせる。


「!!出来た!」


何の変哲もなかった紙は想像通りの少し透ける薄く白いラッピング用紙に変わった。

もう一枚試そうと同じ工程を繰り返すと今度は淡い水色の包み紙を作ることに成功した。


昨日、ワルツさんから魔法の修行として常日頃からこう言った元ある物に変化を加えて想像力を鍛えろと宿題を出された。

元となる物の形を変えずに質感や色合いを想像通りに変えただけだからか、驚くほど上手くいった。

小さなリボンもボーダーレースの可愛らしいものを想像すればしっかりと想像通りに変化する。

失敗続きだった魔法がこうも成功すると嬉しくなるし、自信がつく。思わず調子に乗ってしまいそうだ。

実際に見たものを参考にするため、想像しやすい点が私に合ってるんだろう。次は洋服でも試してみるのもいいかもと呑気に思いながら花をラッピングするが、これが思いの外難しく残念な出来となってしまった。




「うーん、ラッピングセンスは壊滅的だったかぁ…」


「うわぁ…不器用」


ガクッと肩を落とす私の背後からそんな一言が飛んで来てとどめを刺してくる。

項垂れる私の隣まで来てしゃがんだのは相変わらずむすっとしたままのカミルで、おもむろに私の手からブーケを奪い取った。

黙って彼の様子を伺っていると丁寧に包み直されていくブーケは見違えるほど綺麗にラッピングされた。リボンも曲がってない!


「ほら」


「…ありがとう!」


手先の器用さを見せつけたカミルは最早市販品レベルのブーケを私に押し付けると、未だにむくれたままそっぽを向いた。

見兼ねただけかもしれないがこうして手を貸してくれるのだから、怒っている時もカミルは相変わらず優しい。

私がもう一つの花束を一生懸命ラッピングするのを黙って見ているカミルの隣でさっきよりはマシなブーケが出来上がる。


「…どうかな?」


「まぁ…いいんじゃないか」


「やったぜ!」


ダメ出しされずに済んで喜び勇みながら作ったブーケを腕に抱える。

これこのまま鞄に放り込んでも大丈夫だろうかと思案していると横からスッとカミルの腕が伸びてきた。

その手には先ほど泣く泣くフォルカさんに盗られたフルーツパイ。



「食べたかったんだろ?やるよ」


「え゛っ?!いいの!?カミルの分は?」


「…別に甘いもの苦手だし、俺はいいよ」


フルーツパイを差し出したままプイと俯くカミルから私はパイを受け取り、少し考えた後にそれを半分にする。

少し不恰好に崩れたフルーツパイの形のいい方をカミルに差し出した。



「はい、半分こ。リシェットさんのフルーツパイは本当美味しいから、一緒に食べようよ!」


無理強いは良く無いと思いつつもこの美味さを共有したいがために差し出したフルーツパイをカミルはキョトンとした顔で見つめていたが、ちょっと困ったような照れ臭そうな笑みを零してからゆっくりと受け取ってくれた。


穏やかな風が吹くと揺れ動く花々に包まれながら、カミルと一緒に食べたフルーツパイは想像以上に美味しく感じる。

さっきまで抱いていた負の感情全てが洗い流されるような幸福感に自然と頰が緩む。



「美味しいね!カミル!」


「あぁ…美味いな。本当に」


「でしょー!へへへへっ…なんか楽しいねーカミル」


「…そうかもな」


浮かれる私を見て少し呆れたように目を細めながらもカミルも楽しげに笑っていた。


「あのね…忠告無視して戻って来ちゃってごめんね」


「…おう」


「でもね、やっぱ戻って来てよかったと思うよ。こうやって一緒にいるだけですごい楽しいもん!」


「…うん」


「だからもっと一緒に遊んだり、冒険したいんだ。それはカミル達と一緒がいいから、だから…つまり…えーっと?」


そこまで口にして最終的に上手くまとめる言葉が出ずに唸る。

そんな私を見てカミルは肩を震わせて吹き出す。

そんないきなり笑われると急に今までの発言が恥ずかしくなって顔が熱くなる。


「あはははっ…わかってるよ。和の言いたいこと、大体わかるから」


「…本当?もう怒ってないの?」


「うん、もう怒ってねーよ。てか、戻って来たことはそんな怒ってない…隠し事されたことのがムカついた」


「それはー…ごめんなさい」


「いいよ。今度からは言えよな…協力するから」


「うん!」


少し照れながらも惜しみなく力になると言ってくれるカミルに熱い友情を感じて思わず泣きそうになった。

『私の友達最高だな!!』と心の中で叫びながら、無事仲直りしたカミルと少し花畑を散策しつつ談笑した後に馬車に戻った。

テオもニールもすでに馬車に乗り込み済みで出発の準備が万端の馬車に慌ててカミルと乗り込み、私達は再びシルフの樹海を目指す馬車に揺られる。

カミルの機嫌が良くなったこともあり、明るい雰囲気に包まれた馬車内は目的地に到着するまで、終始学生らしいどうでもいい会話が延々と繰り広げられた。





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