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狼とJKの恋物語  作者: クールホーク
2/4

どうしても、好きだから。

お呼びですか? ご主人サマ


そして今に至る。


あー。夢か。。。

必死に美優は目をこする。

しかしいくらこすっても目の前の現実からは、逃げることはできない。


「あの、どなた? 」

美優は、「これは夢だよ」と言って

もらえるように、期待を込めて聞いた。


「俺? 美優のペット……みたいな? 」


だめだ。


美優は頭を抱えながら、そう思った。


「な、なによあんた!? 」


相変わらず女生徒たちは、ワーワー

叫んでいる。


「なぁに? 子猫ちゃんたち。

あのさ、あんまり美優のことは

イジメないでね? 」

この、自称私のペットの男は、

笑顔で女生徒たちに言った。


「キャ、キャァーーー!」

ん? 今のは、何のキャァーなの?


「か、カッコイィ!」

そ、そっちかよ!

てっきり、狼みたいなのが喋った!? とかだと思った。


「きょ、今日はこのぐらいにしといてあげるわよ!つ、次こそは……、

そ、その人のメアドを教えなさい!」


は? 今のなに?

美優は、不安を隠せないような

表情で、固まった。


「み、ゆ、う? 」

「ひぇ!」

「ひぇ!ってなにさ」


相変わらず、美青年やな!

そう美優は、心の中で思った。


まだ美優は、この気持ちには

気づいていなかった。

そして、この美優に対する

美青年の気持ちも。



「あ、あんた何者よ!」

「だ、か、ら、俺は美優のペット!」


多分、こうゆーのって、普通は理解に2日はかかるだろう。

なので、2日後……。



「つまり、あなたは私のペットなのね? 」

「そうって言ってるじゃん」

美優は、

「一言そういうだけで

理解ができる天才がどこにいるんだよ!」と思った。


「これから、怖いことがあったら、俺に言ってよ!」

「う、うん……」

美優は曖昧あいまいに頷いた。


「なんで私? 」

「ん? なにが? 」


「だから、麻妃だっているじゃん!」

「あー。天堂麻妃? 」

「そう!」

美優は少し怒り気味で怒鳴った。


「美優じゃなきゃ、だめなんだよ」

「な、なんで? 」

ードキッー


「だって、美優が一番泣き虫なんだもん」

一瞬でもトキめいた私が馬鹿だった。




「ねぇ、美優、今日保育園の日でしょ? いつも思うんだけど、なんで

保育園行かないの? 」

「……。靴がなくなるの」


美優は、悲しそうな表情で

そう言った。


「え!? 」

「靴も、カバンも、ぜぇんぶ無くなっちゃう」

「それって、イジメじゃん!」


そう言ったのは、子供の頃の

美青年である。


「うん……」

「い、急いで保育園行くよ!」

「え!」

美優は、困った顔で、また、嫌そうな顔で否定した。


「だめ!行く!」



「ここ? 」

子供の頃の美青年は、保育園を

指差して、美優に問いかけた。


「そう」


そこには、『夢見保育園』と、

でかでかと書いてある。


「し、失礼します」

「あ、あれま、これはとんだ

美青年が来たもんだ。

まだ小さいけど、こりゃ、

将来すごくカッコよくなるよ!」


保育園のおばさんらしき人は、

子供の頃の美青年をみるなり、

そう言った。


「で……、そのうしろにいるのは……、み、美優ちゃんね。

もう来なくていいと、この前言っただろう? 」

そのおばさんの言葉に、

子供の頃の美青年は、大きく目を見開き、驚いた表情をした。


「まぁ、そんな美青年を連れて

来てくれるなら、話は別……」


「あぁ? 」

子供の頃の美青年は、おばさんを

睨みつけた。


「え? 」

「来んな? それを決めていいのは、

ばばあ、てめぇじゃねぇよ!」

「へ? 」

おばさんは、突然のことに、

全く反応ができなかった。


「勝手にきめつけてんじゃねぇよ!」

「な、な、な、」

おばさんは、驚きすぎて、

後ずさりをした。


「ふん。いこーぜ、美優」

「う、うん」

美優たちは、ズカズカと保育園に

入っていった。


ガラガラ。

保育園内は普通だ。

子供も、どこにでもいそうな子、ばかりだ。


「あぁー!美優だ!それと、

か、かっこいい子もいる!」

「え? どれどれ? 」

保育園内の子供は、一斉に

玄関に集まって来た。


「おい、てめぇらどけ。

ねぇ、美優、いじめて来た子の名前、

わかる? 」

「絵無ちゃんと、早ちゃん」

美優の手は、細かく震えていた。


「えなと、はや? オッケー。

おい!絵無!早!」

その、絵無と早とみられる子供は、

走って子供の頃の美青年の近くに来た。


「はぁい? お呼び? やっぱり、

私って可愛いから、違う保育園にも

私の名前が知られていたのねぇ」


絵無は、お嬢様ぶりながら、

甲高い声で言った。


「えぇ? なに? 私にも用があるのぉ? いいよ!私、いい子だから、

要件聞いてあげる!」


早も、可愛こぶりながら、

言った。


「……、こっちこい」


「なぁに? 」

「どぉしたのぉ? 」

絵無と早は、まだ声を作って、

可愛こぶっている。


「おい、そのキモい声、ねじ伏せて

やろうか? 」

「な、キモい声ぇ? 」

「ひどぉい!」

絵無は、声を作るのをやめ、

素の声で、怒り気味で言い、

早は、相変わらず声を作りながら、

嘘泣きをした。


「……、キメェ。

そんなことよりよぉ? てめぇら、

美優のいろんなもの、隠してるん

だってなぁ? 」

「そうだったらなに? 」


絵無は、完ぺきに声を作るのをやめていた。


「あ? ざけんな!」

バチン!


嫌な音が、園庭に響きわたった。


「痛!」

「てめぇ、ふざけんな!

人のこといじめといて、

『それがなに? 』だぁ?

てめぇ、この、人間のドクズが!」


絵無は、頬を抑えながら、半泣きに

なった。


「こ、これからよ!」

そう、意味深のことを叫びながら、

2人は逃げていった。


「もう大丈夫!」

「ありがとう……」

美優は、手はまだ少し震えていたが、

ニッコリと笑顔を見せた。


しかし、これから、

とても恐ろしい悲劇が起こった。


ー美優の母親が死んだのだー


原因は事故。


赤信号を、2人の保育園生が通り、

それを避けようとしたところ、

曲がり角からきたトラックに当たり、

死んだ。


その2人に、美優たちは

思い当たる人がいた。



「お、お母さん……!」

美優は、号泣した。


「み、美優!ごめん!俺が助けられなくて!俺が、絵無なんかを

相手にしなかったら、こんなことにならなかったのに!」


そう。その2人とは、、、


絵無と早。


絵無と早は、美優の方を見て、

ニヤリと笑った。


その顔を見て、美優は

泣きじゃくった。





「このこと、覚えてる? 」

「ううん。ショックで覚えてない」

「そっか」


そこから、長時間の沈黙が続いた。


「もう、今の俺なら絶対にこんなことにさせない」

「え? 」


「俺は美優のペットなんかじゃない!

俺は、み、美優が好きだ!

どうしようもなく好きだ!

どんなに頑張っても、

どんなことと交換しようとも、

この気持ちだけは変わらない!」


美優は、目をまん丸くし、

そしてすぐに顔を真っ赤に染めた。


「私も!」


美優は、顔を隠しながら、そう言った。

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