プロローグ
ゾンビ・ヴァンパイア・狼男……。
彼らはこの世に実在し人間をただの家畜としてしかみていない。
ヴァンパイアに吸血された者は吸血鬼になるかゾンビとなり。
ゾンビに食われた者はそのまま死ぬかゾンビとなる。
なら狼男に襲われた者はどうなる……?
「フーン、フーフーン、フーフーン♪」
コツン、コツン、コツン。
鼻歌交じりに長い大理石の廊下を歩く男は、背中に逆さの十字架が描かれた黒服に身を包んでいた。
顔はフードを被って隠しているせいで見えないが、声から男というのがわかる。
「フーン♪……ようやくおでましか?」
男はピタリと足を止めると正面を凝視してフードを下ろして隠していた顔を露わにした。
黄金色の金髪は染めたものとは違いサラサラとした艶のある髪。
瞳はサファイアのように綺麗な碧眼。
透けるように白い肌は女性なら誰しもが見惚れてしまうほど美しいものだった。
顔は大人びていながらもどこか幼さの残る顔立ちをしていた。
彼の見る先には真っ暗でほとんど何も見えなかったが、何かがいるのはハッキリと分かった。
「探すのも面倒だし、歩くのも疲れたとこだからこの屋敷ごと粉々に壊してやろうと思ってたんだが……手間が省けて助かったよ。」
「ニ、グ…肉……よコセ…」
雲に隠れて見えなくなっていた月がだんだんと雲が晴れると同時にその姿を現してきた。
月明かりが窓に差し込み暗かった廊下の先が見えるようになると薄気味悪い声をした正体が見えてきた。
それは姿形は人間だが、顔の半分は腐り右目の部分は目玉が抉れ、首筋は何かに食いちぎられたようになっている。
誰がどう見ても分かる。
こいつは人間ではない。
人間と見えるのは姿形だけで
こいつは最早人間ではない。
「いきなりメインディッシュは早すぎるだろうが、え?そうだろクソゾンビ共。」
彼はそういうと両脇から一挺の拳銃と一本のナイフを取り出した。
右手には使いふるされた回転式拳銃。
コルトシングル・アクション・アーミー。
左手には漆黒の刃をした銃剣。
二つの武器を握り締めると彼は目の前の敵を睨みつける。
月明かりが広がると廊下の先まで見えるようになり、そこには何十体ものゾンビの軍勢が待ち構えていた。
「肉、肉ヨコセ。」
「ニグ…食ウ!」
「ニグウゥッ!!」
口渇の叫びと同時にゾンビ共が一斉に彼に襲いかかった。
「んなに食いてぇならたっぷり食わしてやるよ。ただし鉛玉限定だがな♪」
彼はそういうとニコッと笑みを見せてポケットから手榴弾を出してポイッと迫りくるゾンビの群れに放り投げる。
ーードカァンッ!!
轟音と共に爆発が起き周囲にいたゾンビを巻き込みながら爆散していく。
「あ、ごめーん。間違えて爆弾投げちゃった♪」
割れた窓の外へと爆煙が出て行くと、襲ってきた大半のゾンビの胴や手足が千切れて行動不能になっていた。
彼はそれでも上半身だけで動いてくるゾンビに近づくと頭に銃口を押し付けて
「でも安心して、今度はちゃんと鉛玉だからさ♪」
バァンッ!
躊躇なく引き金を引いて頭に風穴を開けると彼は立ち上がりまだまだ残っているゾンビの群れに向き直る。
「血は河へ流し、肉は土へ還し、魂は地獄の業火に送りし者なりーー。」
バァンッバァンッ!
「されどこの身は神に仕えし者にならん。」
ザクッ!ズバァッ!
「我が主は狂気と快楽に浸かりし鬼の姫ーー。」
ピンッーードカァンッ!!
「鬼姫様の者なり。」
語りを言いながら彼は次々とゾンビを倒していく姿はさながら、ゴミ掃除でもするように彼の後ろには倒れ蹴散らされた肉の塊しかなくなっていた。
「先に地獄の業火にこんがり焼かれとけよ♪」
バァンッーー!
そして、最後のゾンビも倒され倒され。
クルクルクル〜パシッ!
と西武のガンマンみたいに彼は愛用のリボルバーをホルスターに終いバイヨネットもそれにならってしまう。
「ん〜、やっぱ今日は良い月だな。こんな日は酒でも飲まねぇと失礼ってもんだな♪」
そう言って彼は再び屋敷の奥へと足を運んで行った。
誤字脱字がありましたら申し訳ありませんが、教えて下さい。