7 小悪魔(インプ)と天使(アンジェ)
「……だから、チーアって子を出せっていってるじゃない?! 」
ん? 騒がしいぞ。
「知らないわよ。そんな子! 」おい。けっこうな言い草だな。アキ。
「ここにいるぞ」
頭を掻き、狩でしとめた鼬を見せる。
「午後から、トート先生のところ行くから、そのつもりで」
そういって、椅子に座り、仕留めた鼬をアキに差し出す。
「買い取れ」という意味である。
「……判ったわ。とりあえずご飯出すね」
店の奥に走っていくアキを罵る子供。「嘘つきっ! いるじゃないっ?! 」
「えっと。アンジェ? だったっけ? 」
ニヤリと笑う神官様。「うん」
アンジェはそういうと俺の隣に座った。
「あのババア、嘘つきだから苦労したわ」
18でババアとか言われたらアキも泣くだろうに。
「お前こそいくつだよ? 」「ピチピチの12♪ 」うわ。
「お子様はこういう店に入っちゃダメなんだぞ」アキの判断は正しい。
そういってやるとアンジェは膨れてみせた。
「だめなのの! 」……?
其の声を聞いて振り返る俺達。ファルコだ。
「お前、風呂は? 」くさいし。
「今日はまだなの」ファルコは苦笑い。
どうも夜にトート先生の手伝いにいったらしい。
「かっわいい~??!! 」
アンジェは膝をつくと、ファルコの両の頬を持って喜ぶ。
「だれ? この子? チーアの子供とかだったら困るんだけど」「ちがう」
ナニ言ってやがる。
「お姉ちゃん、誰? 」
ファルコはキョトンとしている。
アンジェは「お姉ちゃん」といわれて機嫌を良くしたらしい。
「お姉ちゃんはねぇ。アンジェって言うの。慈愛神殿の下級神官よ」
「……下級神官? 」ファルコは不思議そうにアンジェを見た。
「女神さまの力が見える」へ?
「ふぁる? 」意味ワカランのだが。ファルコ。
アンジェは困ったような顔をしてファルコから手を離す。
そして自分の膝の上にファルコを誘う。
ファルコはあっさり其の上にのった。
ファルコを抱きしめながらアンジェは戻ってきたアキに「私にもミルク」と告げた。
アキはちょっとひくひくしていた。ざまぁ。




