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男装女神は14歳っ!?~夢を追う者達(ドリームチェイサーズ)冒険譚~  作者: 鴉野 兄貴
愛と箒と埃をもって

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5 依頼人は小悪魔(インプ)?

 「窓から入ったらドカン! 扉を開けたら凍結!?」

「……ソレくらいの罠はあるだろうな。ファルコ。どうだ?」

扉に罠や仕掛けがあればグラスランナーの目をごまかすことはまず出来ない。


 しかし、ファルコは俺らの予想の斜め上の行動を取った。

奴は扉をコンコンとノックし、

「ごめんくださ~い!! ぼくらそうじにきたのっ!」

と、大声で叫んだ。


……。


「「アホッォォォォオオオオオオッッッ!!!!!!!」」

思わず俺たち二人は大声で叫んだ。


「開いていますよ~! お待ちしておりましたっ!」

即答が帰ってきて俺たち二人はずっこけた。さっきの慎重な準備は何だったのだ。

「おじゃまするのの!」

そういってファルコはあっさり扉を開いて、勝手に館に入っていく。


 俺たち二人はまだずっこけている。

というか、ずっこけた拍子にお互いの頭をぶつけた。目が回る。


 「なにしてんの?」

ファルコが目を回して抱き合ってる俺たちを覗き込む。

「あついの~! らぶらぶなの!」

ちがう。と、いいたいがそんな気力もなく。

「「ふらけ る な」」と謎の言葉が唇から漏れただけ。


……!!


 俺たち二人はとっさに気合を入れなおし、弓を取り、剣を抜く。

合図があれば即座に俺の弓が敵を打ち、ロー・アースが剣で倒す。

結婚式の準備中もばっちり練習してきたフォーメーションだ。


が。


 「だめっ!」

ファルコがその小さな身体を盾に立ちふさがった。


 「どけっ??!」

俺は矢を引絞り、狙いを定める。


 「……掃除の依頼はしましたが、剣の依頼はしておりませんよ」

その小悪魔インプはその名前の所以である

銛の形の尻尾と小さな蝙蝠の羽根をばたつかせながらそういった。

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