表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男装女神は14歳っ!?~夢を追う者達(ドリームチェイサーズ)冒険譚~  作者: 鴉野 兄貴
ともせ。希望の灯を

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

319/323

5 春よ 来い

26


 背後からロー・アースの首筋を狙うように放たれた鎌の一撃。

それをかるくしゃがんでかわしたロー・アースの脇をすり抜けて大鎌が『女神像』の首筋を後ろから狙う。

逆手に握られたロー・アースの剣が鎌と挟み込むように首筋に当たる。小さなヒビが走るが、破壊に至らない。

「さっさと決めてくれッ ロー・アースッ 」グローガンの声とアンジェの叱咤が響く。

あいつ等このトンでもない事態に来たのかよ。酔狂な。

「けッ こういうときまで部下Aとか言われたくないですからねェッ 」はいはい。


 剣や斧やつるはしを手に次々と湧き出す邪神の眷属相手に一歩も引かず戦うヤクザモノ共。

そのかたわらでは赤子を抱いた上位巨人族の夫婦が微笑んでいる。


 気のせいだろうか。肌を切り裂かれるほどの寒さと臓腑が裏返るほどの苦痛を感じると共に春の暖かさと花の香りのさわやかさが肺腑を満たす気がする。

恐怖で砕けそうな手足の骨を地の底から春を待つ草木の芽が支えてくれている感じがする。

激痛に喀血する喉元に甘く優しい香りが満ちる。灰色と血の赤の戦場に夏の緑が見えた。

秋の実りが満ちるこの世界は冬を待ち、冬を見送ってきたんだ。


 冬は嫌いじゃない。冬は大事だと思う。

だけど今は涙をぬぐって見送りたいから。俺は友人の冬の精霊の横顔を想いながら呟く。

「春よ。来い」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ