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男装女神は14歳っ!?~夢を追う者達(ドリームチェイサーズ)冒険譚~  作者: 鴉野 兄貴
ともせ。希望の灯を

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1 授かりものはなんですか

 やわらかな空気を纏い、森の香りを放つ細い金色の髪。

その風の味は冬の暖炉のように柔らかくて心が温かくなる。

焔の妖精の心と水の妖精の身体。華やかに微笑むその細い美影は。

「『孔雀石』……さん? 」「おかげさまで」

折れそうな細い体にゆったりとした衣を纏い、華やかに微笑む女性。その耳は尖っていて、長い。


 その男の身体は小柄だが、横に大きく、腹は大きく出ているが肥満ではない。

ほのかな悪臭は懐かしくて、優しく、力強い。酸味を感じる汗の香り。

吹出物と髭面で表情はわかりかねるが、笑っているように見えた。

「『藍銅鉱』か?! 」「よッ?! ロー・アース。ファルコ。健勝のようだなっ! 」


 俺たちは駆け寄りあい、再会の喜びに湧いた。

「『あいらんど~』だぁ!!!! 」ファルコが抱きつくと「ちょ? 坊ッ?! 」『藍銅鉱』があたふた。

「おひげツンツン~! つんつん~! 」めっちゃ頬ずりしてるし。「やめんか?! ファル坊ッ?! 」はは。

ちなみに俺はめっちゃ『孔雀石』にキスされまくっている。その様子をロー・アースが珍しく冷たい目で見ていた。


「俺は? 」ぷぷ。

「夫もちですので。残念です。ロー・アースさんなら良かったのですが」「おいっ?! お嬢ッ?! そりゃないぜっ?! 」

澄ました表情で夫をからかう娘。『孔雀石』に『藍銅鉱』が抗議する。

ちょっと舌をだしておどける『孔雀石』だが、背丈の違いで『藍銅鉱』には見えていない。


 エルフだけどドワーフに育てられた娘、『孔雀石』こと『あかねのそら』。

ドワーフの宝石職人にして薬剤師も始めた青年(青年なのだッ?! )『藍銅鉱』は夫婦である。


 もう一度いう。美貌のエルフ娘とどぶドワーフの。夫婦である。

「チーアッ?! 妖精に嘘が通じると思うなッ?! 」やべぇやべぇ。


 俺は冬場ながら額から汗を流して『藍銅鉱』にこたえる。

「う、嘘なんてついてない。めっちゃ違和感あるカップルだとは思ってるが」

「相変わらずウソのつけないかたですね」『孔雀石』は俺の態度を見て笑ってみせた。

この娘はエルフだが、育ての親のおかげで豊かな表情と感情表現を持っている。


 ロー・アースとガッチリ握手を……握手を……。

「手が潰れるッ?! はなせっ?! 『藍銅鉱』」「人間は脆いのう」……。悪気は、ないよな? 多分。

ドワーフはウソがつけないが。


 ガスガスとロー・アースの腹を笑いながら革鎧越しに殴っている姿を見ると問いただすのが怖くなる。

「お前、冗談がわかってないだろう」「いや、わかる」おい。


「もう。『藍銅鉱』ったら。私が浮気なんてするわけないじゃない♪ 」……魔女かよ。あんた。こんな性格だったっけ?

「だって……」一気に頬を赤らめる『孔雀石』に髭の上からでも照れているのがわかる『藍銅鉱』。


 ん? 「みゅ? 」「どうした。藍銅鉱」

二人は驚愕の台詞を吐いた。


「授かったんです」何を?

「赤ちゃんです」ははは。ご冗談を。

「時々蹴るんだそうだ」……まさか。


「あなたににて優しくて力強い子に」「お前に似て気の強い子に」……。

な、な、なんだってえええええええええええええええっっ?!!!!!!!!!!!!

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