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男装女神は14歳っ!?~夢を追う者達(ドリームチェイサーズ)冒険譚~  作者: 鴉野 兄貴
ともせ。希望の灯を

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第一部 最終回 ともせ。希望の灯を。(中編) プロローグ エルフとドワーフの夫婦ってありえない

 この樹の周りで三回回って。「二回だな。チーア」……この樹の股を通って「こっちなのの」

エルフの道ってややこしい……しかも彼らには本来道など不要なのだ。

なんせ森の木々が勝手に路を作ってくれる。にもかかわらず樹の前で待っていたというお袋もアレだが。


 で、こっちの小さなせせらぎの精霊に貢物をしてっと。

俺たちは貢物として件の魔物の毛を捧げる。


「小さな水の乙女よ。我等三人をエルフの許に導きたまえ」

せせらぎは向きを変え、この世にしてこの世ならざるエルフの集落へ俺たちを導く。


 集落と言っても彼らは家を作る習慣が無い。だが空気が明らかに違うことだけはわかる。

ロー・アースが前に出て、古の魔導士とエルフの契約の歌を歌う。


 爽やかで優しい香りが、彼の心を蝕む暗い罪を洗い流していく。

俺とファルコはお互い頷きあい、それぞれ竪琴と横笛でエルフをたたえる。

竪琴の繊細な音と、横笛のシンプルで楽しい音につられ、エルフたちは木々の隙間から姿をみせだした。


「試練を潜り抜けました。古のひとたち」俺たちはその場にひざまづく。

「頭をあげなさい。人の子、我等の子」伝説に謳われる月の音楽は本当に素晴らしいものだった。

彼らが奏でる風や土のときめき、木々のささやきは俺たちの拙い音楽を支え、包み、それ以上のものにしていく。

ひときわ強い燐光を放つ青年は俺たちに近寄り、金色の樹の枝を振る。


 さわさわと音がして、何処からともなく薪と芝が集まってくる。

俺たちは使命を達成したらしい。思わず微笑んでしまう。


「『かんもりのみこ』の娘よ」は? はいっ?!

「お前の求めるほどは恵みを与えることができぬ。君の友人にも頼むとよい」?

「ドワーフがもつという、『燃ゆる石』を手に入れよ」???

「どういうことですか」思わず彼の瞳を見てしまう。優しい光を帯びたその瞳を。

「我が妹の子よ。私はお前を見守っている」え?

「おじ、さん? 」狐に包まれたように問い返す俺に彼は金色の枝を振り。消えた。


 先ほどのことは夢か現か。森の広場で呆然としている俺たちに背後から声がかかった。

「チーアさん。ファルコさん。ロー・アースさん。皆さんお久しぶりです」

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