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男装女神は14歳っ!?~夢を追う者達(ドリームチェイサーズ)冒険譚~  作者: 鴉野 兄貴
ともせ。希望の灯を

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3 薪(たきぎ)だ 焚き火だ 落ち葉焚きッ!

 そういえば、アーリィさんが昨今薪が高くなって大変だとか二号店で言ってたが。

俺たちは前回の事件で燃えた店の復旧作業で忙しかったしなぁ。

あっちは精霊使いのフレアがいるせいで火には困らない。

俺も最近火の扱いには慣れてきたし、そもそも以前冬の精霊に恩売ってるし。


「そういえば最近薪の価格が高騰しているな。エフィー……妹が愚痴をこぼしていた」


 ロー・アースの表情は相変わらず無気力・無関心のようだが、周りの変化には敏感らしい。

薪は高い。薪が取れるほど深い森はエルフの領域であり、不遜な態度を取った奴らは殺されはしないもの、

肉体は樹にされ、魂は森をさ迷う亡霊にされ、百年単位の囚われ人にされる。

かくも神罰と言う奴は恐ろしいのだ。


「うん。スラムの子たちが言ってた。薪盗んだらお小遣い沢山だけど」そこでファルコは口を止めた。


 そういえば、アイツは結局冬を越せなかったんだろうな。よくある事だが。

スラムのガキにしては甲斐甲斐しく自分より年下の世話を焼くいいヤツだったのに。


「でも、めっちゃ儲かっていたじゃないですか。あのふぁうんど? ってのもいい感じに機能してましたし」


 俺は小首を傾げるが。ロー・アースが言うには『薪そのものが無い』らしい。

そういえばたまに神殿に顔を出したら魔法で火を出せとか言われたっけ。

『前にも言ったが俺を薪か何かと勘違いしているんじゃないかレティシア』『うるさい』

同僚とのやり取りを思い出す。


「ええ。あの浴場は毎日膨大な薪を消費するのです」

ロー・アースが高司祭さまを助け起こそうとするが、彼女は首を振って拒否した。


 俺たち三人は半妖精、妖精に魔導士だから失念しやすいが、魔法が使えるヤツって限られているしな。

うちは貧乏神殿だが薪などの消耗品に困ることはほとんど無かった。

賽銭箱はいつもカラでも現物の供物は多い。小さな木切れでも百人千人が持ってくればそれなりの数になる。


「神殿の備蓄も尽きてしまいました。わが神殿の歴史で初めての事態です」


 ……それが『チーアがいいところに来た。火を出して。今すぐお願い』(By ミズホorミナヅキ)とか尋常じゃない。

火を出すだけならまぁやぶさかじゃないが、薪無しで火を維持するのはとても疲れる。


「アレは? グローガンがいたときに木屑を固めた燃料だか資材だかを開発したじゃないですか」「もう使い切りました」木屑すらないのかよ。それは問題だ。

あの石工棟梁見習いはこの神殿では大工と同列に見なされている。実際、アイツ意外と器用だし。

神殿で仕事とるようになったら、すっかりハゲ頭同様丸くなってしまって四十前にしてモテ期到来。アンジェにボコボコにされていたっけ。


「高司祭さまに代わって僭越ながら一神官に過ぎない私が説明します」カレンが言うには。


いち。まいにち薪を使う。

にぃ。薪そのものがないよっ?!

さん。薪の値段を高くすると儲かるよッ

よん?毎年薪が高いのにオラ買えねえだ

ごぅ。しかたない。タダ同然で入れる風呂で身体温めないと凍死だ

ろく。あ~ん! お風呂に使う薪もっと使わなきゃッ

なな。また薪の値段が上がったじゃないか。慈愛神殿、薪いっぱい持ってるだろ。だせ。

はち。無いのッ あったらあげるよッ でも無いのッ

きゅ。毎日使ってるだろ。風呂でッ

じゅ。生活用の薪も風呂にまわしているのに。無理。サポシ!

なるほど。よくわかったにゃ~!

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