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1 俺は引退済み
「貴様らっ? こんなことをしてタダで済むと思うなっ?! 」うっせ。バカ。
俺は情けも容赦もいれずにそいつの腹に蹴りを入れる。
「こっちは片付いた」
「なのの」二人の体は返り血に染まっている。
「あとはお前だけなんだが? 」
ロー・アースとファルコが片目の傭兵に剣を向ける。
「……貴様ら、何者だ? 」
「「「俺達は。夢を追う者達だ」」」誰何の声に淡々と応える俺達。
「関わると不幸になる。そう聞いた」
傭兵はそれだけ呟き。剣を抜く。可也の実力だろう。
血の香りが染み付いた鎧に手入れの行き届いた剣を見れば解る。
「「「余計なこと言うな」」」俺達は一斉に剣を彼に向ける。
「出来たら、引いてほしいんだが」「それが出来たら、御飯食い上げだな」
くそ。人間相手は好きじゃないんだが。
「じゃ。ごめんなのの」
ファルコの短剣が彼の腹に突き刺さった。




