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男装女神は14歳っ!?~夢を追う者達(ドリームチェイサーズ)冒険譚~  作者: 鴉野 兄貴
故郷に錦を 後編

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9 炎よ。汝は我の友なり

 遠くからでも解ったのは何かが燃えていく臭いだ。そしてバチバチと言う焼け、弾ける音。

肌を突く熱さに喉を焼く煙の味。

「母さん! 母さん! どこ!? 」「俺達の家が! 」「父さん! 」

酷い騒ぎだ。どうも予定以上に火の手が上がってしまったらしい。


「どういうことだ??! 」俺達は呆然と立っている役人どもに詰め寄る。

「風が!! このままではスラム以外も燃える! 」おい! しっかりしろ! 腐れ役人ども!


「かあさん! かあさん! 」子供の声。見ると窓から叫ぶ子供がいる。

「アンリ!! 」母親らしい娘が駆け寄ろうとするが役人達に止められる。


「もう助からない! あの火に突っ込めば死ぬぞ!!! 」「アンリ!! アンリ!! 」


「なんてこったい」

グローガン達が呆然としている。

「逃げましょう。グローガンさん」無責任すぎる。が。正直、俺達も危ない。

アンジェとマリアを含めた俺達5人は必死で水をかけたり、魔法を使っているが効果は薄い。


 炎の舌が廃屋の梁を焼き、黒い煙となって俺達の喉を焼く。

「やばい!女の子が!! 」「ここで手をこまねいてみてるしかないのか?! 」

煙は恐ろしい。喉を。肺を焼く。そして毒がある。少女には危ない。


「ロー。ファルコ。あとは頼んだ! 」


 俺は母親の残した銀の短剣を取り出し、自らの腕に切りつける。

噴き出す血潮と激痛に頭がおかしくなりそうだが、なんとか炎の守護印を刻みつけた。

本来なら刺青にするのだがこちらのほうが効果が高い。


「チーアさん! 駄目です! 」


 グローガンが止めようとするのを振り払う。

炎の守護印のおかげで火傷はしない。血が無くならない限りは。


「炎よ! 我は汝の友なり!!! 」

轟音渦巻く炎の中に俺は突っ込んだ。

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