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男装女神は14歳っ!?~夢を追う者達(ドリームチェイサーズ)冒険譚~  作者: 鴉野 兄貴
ダンビュライトは夢の輝き 後編

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後編。プロローグ 夢を追う石。透明な心で

 「好きな石なんです」

『孔雀石』はそういった。


 「……凄く、綺麗だよ」

ファルコが『孔雀石』さんの足元でニッコリと微笑む。

決してダイヤにはなれない石。叶わぬ夢を追い、ゆえに夢追うものを護る石。希望石ダンビュライト。か。


 「あのね。ぼくね。妖精の世界をみてみたいの~」

ファルコがのんびりと発言する。

妖精族の世界は別世界らしいが、ファルコ自身も見たことがないらしい。


 「私も興味ありますね。ドワーフの世界ってどうなんでしょう?」

『孔雀石』さんは苦笑する。


 「きっと、暖かい世界さ」

寝転んで星を眺めながらロー・アースが呟いた。寝ているのだと思ってたぜ。


 「ロー・アース。お前に夢とかねぇのか?」

少し興味を抱いて聴いてみるが。

「ないな。見る夢は悪夢だけ」つまんねぇ奴!!


 「俺はさ、お袋と兄貴と親父とノンビリ暮らしてみてぇな。

お袋は何処行ったかわかんねぇし、兄貴は放浪癖だし」

色々話しかけてみるが、彼は生返事しか返さない。


 「……変わったご家族ですね」

『孔雀石』さんはそういうが、誰一人死んでいないだけ幸福といえる。


 「ぼくはみかたなの」

「?」「なにがですか?」「何だ?ファルコ?」

唐突に変な事をいうファルコにロー・アースを含めて三人とも注目するが。


 「ひみつ~」

そういってファルコも寝転んで星を眺める。

なんじゃそれ。


 「希望石ダンビュライトは人を騙すためにあると私は思いません。

ダイヤモンドになりたいけどなれない。

……そんな偽者だからこそ。本物を。未来のダイヤモンドを護れるんですよ?」


 『孔雀石』さんの意図がよくわからん。なんでそんな話を?

「……借金まみれの冒険者モドキと、皆さんは自分達のことを仰いましたよね?」

「ああ」「うん」「伯爵家の跡継ぎと冒険者の宿の陰謀だけどな」

『孔雀石』も「はしたないですが」といいつつ俺達と一緒に草の上に寝転がる。


俺達の目の前には満天の星空。


 「……『夢を追う者達ドリームチェイサーズ』になってみませんか?」

「「「……考えておく」」」」俺達はそう応えていた。


 「ええ。考えておいてください。私達は偽者かもしれません」

そういって『孔雀石』は空に語りかける。


 「でも。『夢を追う者』にはなれます。

希望石ダンビュライトのような透明な心を持てば」


星がにじんで見えたのはたぶん風が目に染みたから。と、思う。

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