7 俺とアンジェ。その後
「ねぇねぇ。スラムで大活躍だったんでしょ? 色々聞かせてよ? 」「何もしてない」
そういってシチューをすすり、残飯から作り直したフライドライスを食う。
「うっそー? だってだって、役人どもをちぎっては投げ、ちぎっては投げと」
どういう噂の尾ひれだ。女神様。愚かな信徒どもをお許しください。
「俺の格闘術の成績」「ははは! ホントだよね! 子供除いたら一番弱いし! 」
アンジェは神官の中では幼いがこの神殿一番の拷問術の使い手と言う恐ろしい娘だ。
剣や俸術はイマイチだが、格闘では押さえ込みと寝技を得意とする。
「俸の扱い、得意だもん」違う。絶対違う。
「今度色々教えてあげてもいいよ~? 」「いらん」
そ~いわないでさ~。とアンジェ。
「ロー・アースさんとは何処までいっちゃったの?」
生死を分かつことの多い冒険者は、異性同士どころか同性同士でもそういうのは珍しくはないが。
「やってない」「うっそ? かっこいいのに!? 」なにいっている。
「じゃ、ヤラれちゃったのね! 」顔を赤らめて言うな。「ありえん」
「じゃ、じゃ、ファルちゃんを色々と」絶対ない。顔を赤らめるな。期待するな。
「つまんな~い! つまんな~い! 」「黙って食え」
「8歳の頃から覚えた秘術の限り、教えてあげていいよ~? 皆イチコロだよ~? 」死ね。
「つまんな~い! つまんな~い! こんなにチーアのこと好きなのにぃ~! 」いい加減にしろ。
はしゃぎあう俺たちに近づく影。
「だまって食べましょうね?アンジェ」『夢幻竜』であるマリアを切れさせるととてもとても怖い。
アンジェ以上の格闘術(こちらは立ち技専門)と怪力は当神殿一番と有名だ。
「マリアは興味ないの~? 色々教えてあげるよ~? 」「またね」「わーい! 」
はしゃぐアンジェは「じゃ、今夜たっぷり」とんでもないことをマリアに言う。
マリアは結構。初心なところがある。その意味をやっと理解したらしい。
「こほん。間に合っています。こういうときは断っていると気づいて下さい」
いくら恋愛結婚を推奨しているとはいえ、こういう会話をバドが聞いたら俺達は皆「神罰」だな。
うまく。いっていると思う。
寂しいけど、嘘を付き合うことはもう。ないから。




