表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男装女神は14歳っ!?~夢を追う者達(ドリームチェイサーズ)冒険譚~  作者: 鴉野 兄貴
故郷に錦を 前編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

238/323

2 ジャイアントスイング ジャイアントスイング by 慈愛の女神様

 「ね。ね。よかったのかなぁ? 」てくてくと歩く俺達。足元のファルコが言った。

「助ける必要がまったくないだろうが」俺は呆れた。


 親にいい格好したいからボコられてくれだの、身長のばせだの、

幸運神殿の富クジの一等に当たりたいだの、

慈愛の女神様だってニッコリ怒ってジャイアントスイングかますだろう。


 そういうとファルコは「もきゅ」と呟いて右左に走る。何をしている。


 「ま~しかたないさぁ」

ロー・アースは相変わらず気力のない喋り方で空を仰いだ。

「いい天気だな」いつもの厚い雲は何処へやら。老いも若きも富も貧しきも皆外に出て、

仕事ほっぽり出して日光浴。典型的な冬の晴れの一日である。


 「ねね。こんなに晴れていたら、露店とか出てるかな」

普通は晴れの日と言えば王国に神殿共々臨時祝日だが、仕事熱心で遊ぶのが苦手なヤツならそうかも。


 「様子見に行くか」

俺がそう呟くとファルコは嬉しそうににぱっと表情を輝かせて右左にコロコロ。何をしている。

自分で払えよ。奢らせるなよ。


 「む? 」「どうした? 」

ロー・アースは人間にしては五感が鋭いが、それだって半妖精やファルコほどではない。

ファルコは幼児に見えるが立派な妖精族だ。要するに成人している。


 「なんか、修羅場っぽい」「構うな」

どこからか怒鳴りあう声が聴こえてきた。


 「いくののっ 」「おい? 」

コロコロ転がるように走るファルコ。右左にぶれるように走る。ちゃんと走れ。俺達はそちら側にむかった。


 「お願いします! 俺達の家を焼かないで! 」

「許可なく勝手に建物を建てたり、既存の建物を行政の許可なく占拠するのは違法である!

住民は10日以内に退去せよ! これは伝染病を防ぐため必要なことなのだ!!! 」

衛視と役人、スラムの住民が揉めているらしい。


 「またか」「最近多いね」「つか、本当にスラムを焼き払うだけで伝染病防げるのかよ? 」

ロー・アース、ファルコ、そして俺と三者三様でげんなりとする。


 他国では例がないがなぜか車輪の王国だけはスラムを定期的に破壊、

焼き払うだけで大幅に発生そのものを抑えることが出来るという無茶苦茶な話がまかり通っている。

ちなみに、他国では焼き払いの劇的な効果は確認されていない。愚策である。


 「さっさとでていけ! お上に逆らうな!! 」……ん??

「オラオラオラ!! 爺! 婆! さっさと出るんだよ! 」え~っと…。


 「あ。ぐろーがんのおっちゃんたちだ」あ~~~~。またか。「行こうか。ロー・アース」

慈愛の女神様はこの状況を見逃すなとおっしゃるかも知れんが、余計なトラブルは避けたい!

「ボコられにいくのか。いってらっしゃーい♪ 」ロー・アースは俺の背中を押した。

いや、いくらなんでもこれ以上あいつらには関わりたくはない!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ