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男装女神は14歳っ!?~夢を追う者達(ドリームチェイサーズ)冒険譚~  作者: 鴉野 兄貴
赤ちゃんは悪党がお好き?!

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3 「せんせぇたいへんです」「チーアがいくえふめい(ゆくえふめい)です」

「大変っす! アスラ君が浚われました」

その言葉を聴いて凍るあたし。「あすらちゃんがっ?! 」「ですっ! 」

慌てて愛馬を呼ぶ。「シンバットッ! 」


 「厩に繋いでいたはずなんだけど」

両手に器を持ったウェイトレス、アキはシンバットに跨る俺を見て眉を顰めた。


 「いくぞっ! シンバットッ! 」

手綱を鞭代わりに振るい、宿から駆け出した俺は矢のように郊外の森を駆ける。

青々とした緑は冬の風の中でも失われていない。不思議な森だ。


 森の中ではたと考えにいたり、シンバットに『とまって』と合図を送った。

「なぁシンバット」「……」馬が喋るわけ無いのだが。

「アスラ、シラネ」分かるわけ無い。そういうように愛馬は唸った。


 あとでテーブル代と椅子代を請求されることになる俺だったが、この時点では分かるはずもなくアスラの影を求めて走る。上位巨人族夫婦は普段はこの森の奥の広場にある『イルジオンの館』を経由して俺たちに会いに来る。

 「イルジオンッ 俺だッ 来てくれッ 」

莫迦みたいに広場の真ん中で叫ぶ。


 周囲の草が揺らめき、徐々に家の土台の形になる。雲間から差す光がボロボロの外壁を照らし、爽やかな風が気品のある屋根の装飾を撫でていく。

俺の視線の中央に現れた扉が「キィ」と開き、何処からとも無く若い男の声が響いた。


 「どうした。女神殿」

なんで女神なんだよ『まぼろしのもり』。しばくぞ。姿見たこと無いけど。

このエルフの館、世界中を蜃気楼のようにフラフラフラフラとさ迷う特徴を持つ。

その主こそがエルフ、『まぼろしのもり』ことイルジオンである。

 「アスラが浚われたらしいんだ。探さないと」「ふむ」

きらきら輝く光が小さな木から伸び、像を結ぶ。


 「アスラッ?! 」「無事のようだな」

穏やかな表情で寝入るアスラは誰かの腕に抱かれていた。

「とりあえず迎えに行く」「『館』では送れんぞ」そういえば森の中且つある程度の広場もいるらしいな。


 「で。何処」「女神殿。少し思慮と言う物をもったほうが良いぞ」

うっさい。おまえみたいに500年だか1000年だか生きていないんだ。

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