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男装女神は14歳っ!?~夢を追う者達(ドリームチェイサーズ)冒険譚~  作者: 鴉野 兄貴
くちづけより簡単

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202/323

3 美女より簡単

話は遡る。


 「ロー・アース。『陶磁の人形』を見たことがあるか」

今度の依頼人は傭兵風のガタイの良くてゴツイ野郎だった。

天然痘の痕と思しき痘痕あばたの残る目つきの鋭い男だ。


 ぶすぶすと燃える獣脂の煙が目に染みる。

この宿、たまに換気をしないと危ないくらい暖かい。

普通は隙間風だらけのはずなんだが。


「ああ。最近子供たちに人気のある人形だな。綺麗で表情豊かで暖かい顔立ちが特徴だと」


 ホント、ロー・アースって何でも知ってるよな。羨ましい。

「東方帝国の白土で出来た人形に対抗して作ったって聞いたよ」

それを聞いていたファルコが呟く。博識なヤツだ。まったく。


 「白土に見えるが、あれはおがくず。木を削ったゴミを固めて色を塗って作る」

ロー・アースが補足する。「しかしよく知っているな」「えへへ」

なんでだろう。本なんか読まなくていいと思うけど少し悔しいかも。


 「ロー・アース」「なんだ」

「俺はここまでのようだ。後は任せた。任務達成の報酬は。エイドに既に渡してある」

「? 」「みょきゅ? 」「何を言っているんだ。ジョセフ」


いままでの元気そうな様子とうわはらにガタガタと震えだす。男。

秋の寒さとは無関係らしい。


 「俺が掴んだのは、『悪意の鍵』とあの人形は何かあるッ! 何かあるんだッ 」

めきめきと言う音がする。先ほどまで男だった。人間だったものから針金のような毛が生え、鍵爪が伸び、咆哮を上げる。


 「皆。逃げろッ! 」

脚がガタガタして動けない俺を引っつかみ、横っ飛びしたロー・アースは二本の剣を抜いて。

「ファル! 」「みゅっ! 」ファルコの短剣が躊躇なく其の男だった魔物の心臓を貫く。

「やっぱり、通常の武器では傷つかないか」ロー・アースは目を細めた。


 「ファルコ。銀の針金を持っているな。捕縛する」「みゅ」

「チーアッ! 援護してくれッ! 」あ。ああ。


 「慈愛の女神よ。我らに邪に穢されし命を救う力を与え給えッ! 『聖なる武器』ッ! 」

光り輝くロープと針金を持ったロー・アースとファルコが半人半狼の魔物に切りかかった。

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