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エピローグ 「ニコ」「ポ」……「素敵抱いて」

 「というわけで」

亡国病と恐れられた結核は『療養をしっかり取れば治らなくも無い』と言う程度には落ち着いた。


 相変わらず貧乏人は回復の余地はないが、拡大の可能性は激減した。

『結核が治る』といわれて国中の結核患者が慈愛神殿に押し寄せて結核が更に拡大したのが今回の騒動の原因なのもわかった。『話をするだけでうつる』のになんてことを。


 問題は。俺の周りを固める慈愛神殿の幹部連中である。

再度の呼び出しをくらった俺は幹部連中の前に立たされた。

「高司祭の跡継ぎに推挙したいのですが」と高司祭さま。


「いりませんっ! そういうの俺似合いませんっ!!! 」

だが。断る。そんな柄じゃないし。


 「そもそも、高司祭には任期ってのがあってっ!!

俺、教義とか知りませんしっ!ガラ悪いしっ! 」

「実績を考慮すれば癒しの力の実力は差し引いても構いませんから」

高司祭さまはカラカラと笑っている。

 

 「無知はこちらでフォローしますよ? 」

モニカやジェシカがニヤニヤと笑っている。


 「任期は。先代が死亡、もしくは結婚すれば解除されます」ニコニコと笑う高司祭さま。

「別に、『先代』が再婚しても当神殿では関係ありませんからっ! 」まさか。まさか。


 「俺、女っすよっ???!! 」ふふふと笑う高司祭さま。

「わたしたちしか知りませんし。別に、バツイチになっても私は気にしませんよ? 」いや、困る困る困る!!!


 「トーイさまやロー様が悪いんですっ! 」

そういって拳を握り締める高司祭さま。

その二人が放置だろうが優柔不断だろうが、俺には関係ないっ!!!!!!!!


 俺は窓をぶち破り、全力で逃げ出す。

「追えっ! 追いなさいっ! 」「はいっ!! 」

「逃げられると思わないでくださいねっ! チーア!! 」

何でこうなるんだよっ! 何でこうなるんだよっ!


 「シンバット!! 」

相棒の馬を呼び出し、逃げ出す俺。


 「ちょっと! チーアッ! 」アンジェ??

「逃げるなら私もっ! 」

……またなんかやったな。お前。


 「いいぜっ! こいっ! 」彼女の手を握る。

シンバットは嫌がったが無視して馬上に引き上げる。

「へっへ~ん! デートデート!! 」

楽しそうに叫ぶアンジェは俺の腰に手を回す。


 「しっかりつかまってろよっ! 」「うんっ! 」

雲間から光が差す。俺達は光の中、馬を駆ける。

溢れる涙を瞳の泉に留め、走り出そう。きっといいことが待っているから。


 もし。君が叶わぬ願いを胸に秘めているなら。もし。何か悩み事があるなら。

もし。郊外の森の中に奇妙な形の冒険者の宿をみつけたら。


 迷わず。『俺達』を指名して欲しい。きっと。君の願いは叶うから。

ただし。『余計なオマケ』は自己責任で!

(Fin)

「なんでも魔法で治せる!」世界で伝染病ってどうなってるのかなとおもって、

書き出し中の物語を一時放棄して執筆を決意した物語ですが、

一時執筆決意を断念した理由、「ファルコが目立てない」を見事に体現してしまった件。


まぁ、主役と言っても名ばかりの……。

あ、泣くなっ?! 逃げるなっ?! 次は活躍するはずだからっ?!

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