10 新たなる簒奪者。……え? 俺達?!
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「どうみても俺たち犯罪者なんだが」「まぁしかたないねぇ」「まぁな」
ため息をつく俺たち。結論だけ言うと自称竜退治の英雄の詐欺師はファルコの蹴り一発で窓から命乞い。
九人の兵士も俺の『困惑』を受けた瞬間に片っ端からロー・アースの『眠りの雲』の一撃で昏倒。
あっという間にファルコとロー・アースの逆襲を喰らう羽目になった。
「簡単に返り討ちに出来るならあそこでやっておけば面倒が無いのに」呆れる俺を。
「とりあえず、こんな小さな町なら領主に会える可能性が高かったからな」と返すロー・アース。
そりゃ、まぁそうだが。ガキの嘘八百だったら俺たちどうするんだよ。三人で偽領主の真似事続行なんて絶対嫌だ。
「と、いうか、こんなに殴られやがって」
「ん? 」「みゅ? 」てめえら座れ。
俺は思いっきり息を吸ってから三人を怒鳴りつけた。
「誰が治すと思ってるんだッ?!! このスットコドッコイの莫迦野郎!!!!!!!! 」
正座して俺の説教を聴く三人。寝るなファルコ。かるくしばく。
アクビするな。ロー・アース。マジで怒る。本当に、本当にこんな怪我して。
二人とも大事になったらどうするのよ。
唯一坊やだけは「まさかこの私が正座させられるとは」と半分泣きながら話を聞いている。
「で。どうする? 」「どうするもこうするも。この町ではこの領主が法律だぞ」
ロー・アースがウンザリとした顔で窓から吊るされた領主を見た。
「ぶら~ん ぶら~ん♪ 」「やめてください 助けてください 許してぇ」
ファルコが時々ロープを揺らして遊んでいるが、温厚なファルコにしては珍しい。
結論。
領主を倒して地位を簒奪するか、あるいはこの町から逃げて犯罪者になるかだ。
どっちも。やだ。
「領主になっちまえよ。ロー・アース」「ばか」
いつ暗殺されるかわかったもんじゃないし、妹に黙って出てきてしまったそうだ。
「おい。ロー」「ん? 」それって。
「どっちにせよ。お前帰ったら酷い目に会うぞ」「それはいわないでくれ」
今頃妹さんの耳にはバカ兄貴が竜退治に行ってしまったことくらい入っているだろう。
既に死亡フラグは立っている。
「厄介ごとに巻き込まれちゃったねぇ」お前がいうな。
いつの間にか正座をしたまま茶を入れてくつろぐファルコに苦笑い。
「名代の一族の者に先ほど会いましたので」坊やが呟く。
「領主としての実力を見せ付ければ、町の皆さんも納得していただけるかと」
マジか。俺たちNAISEIなんて柄じゃねぇぞ?!