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4 マリア。再び

 「ファルコ。どうだ?! 」「う~ん」

うわ~。俺と竜(自称)とアンジェは荒れまくった図書室を見て苦笑い。


 「お化けってマリアのことか? 」

俺は図書室を荒らしまくるヤクザ者二人に話しかけた。

薄暗い図書室。個人的に不気味で嫌な空間だが本を護るために必要らしい。

隠し通路や部屋が無いか捜索する男と、その隣で本で遊ぶ子供。

二人は俺の顔を見ると開口一番。


 「マリア? 」「あのお姉ちゃん? 」

マリアって言うのは俺たちが夢の世界に囚われた人々を救うことになった事件の発端である。

あの謎の蝶といい、死んだはずの少女が大人になって現れたり不可解な事件だった。



 「チーア。また。……浮気? 」ぞく。

振り返ると氷のような笑みを浮かべるアンジェがいた。

「マリアさんって。誰かなぁ」


 「あとさ。ロー・アース。ファルコ。……図書室荒らすな」

顔にべったり張り付いた手形をさすりつつ、抗議する俺。プイと横を向いているアンジェ。

片付けをやらされるのは下級神官おれたちだ。

「本を倒して遊ぶのは辞めてね。ファルちゃん」そういってアンジェはファルコを叱る。


 「ごめんなさい」素直に謝る幼児。何故に正座。

ちなみに、見た目も態度も幼児だが。彼、ファルコ・ミスリルは立派な成人である。

彼はエルフの亜種で妖精族の一種。幼児の姿のまま一生を終える。


 「荒らしているつもりはない。ぞ……」ふあぁぁ。

眠そうに欠伸をする鎧姿の男。見た目に反して実は若い。

コイツの名前はロー・アース。一応、俺たちのリーダー? ってことになっている。


 「お化け、見つかった? 」なんでもお化けを見たというアンジェに頼まれて捜索していたらしいが。

「アンジェ。何度も言うがこの図書室に幽霊や呪いの類は存在しないし、ファルコも言っているが」

「へんな人が隠れていたり、生活している形跡はないのっ 」ロー・アースの言葉をファルコが引き継ぐ。


 「う~ん。私、確実に見たんだけど。黒い髪に白い肌のちょっと太目の女の子を」……。

「私は太っていませんよ」「うん。標準よりちょっとあるかどうかだけど胸がでかい分そう見える」

黒髪の少女がアンジェに抗議する。アンジェは素でそう返した。


 「あ。チーアさん。御茶が入りましたよ」「おお。悪いなマリア」

口に含む。……また岩塩入りかよッ?!


 「おい。また岩塩入っているぞ」「あら。間違えましたわ」

黒髪の少女、マリアはそういって微笑んだ。

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