表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
169/323

11 出れないじゃないか

ガッ!!!!!!!


????


 「おい! こっちだ! ネェちゃん!!! 」

目を開けると悶絶する老人が見える。ほのかにスパイス臭い。

グラスランナーが目潰しに使うスパイスや砂をつめた卵のようなものを受けたらしい。

窓の外からファルコにそっくりな幼児の姿がある。いつの間にいたんだろう?


 「まて!! 」老人の声が聴こえるが、流石に斬られると判って待ちはしない。

俺はロー・アースを窓の外に放り出し、自分も窓の外に身を投げた。

幸いにも一階なので怪我はしない。


 「……くそ。痩せろよロー・アース!! 」

別段彼が太っているわけではないのだが、非力な俺には彼を担ぐのは物凄く大変だ。

フラフラと進み、生垣に身を隠す。


 「大変だったな。姉ちゃん」子供が声をかける。

「……ファルコ。じゃねぇよな? 」あいつはこういう話し方はしないし。

「俺? イーグルってんだけど? 」


うん??? それって???!!


 「死んだエイドさんたちの息子? 」「俺が幽霊に見えるかボケ」

即座に返事が返ってきた。しかしなんという毒舌なガキだ。


 「親父を知っているのか? 」知ってるも何も。

「3年も姿を見せず、死んだと言われてるぞ? 」


 「三年???!!!! てか俺が死んだ?? 舐めんなバカ親父。

確かに一日なのか十年なのかわからんな。この屋敷にいる時間は。

で。このにーちゃんどうする? 捨てとく? 」


 それを捨てるなんてとんでもない。捨てたいけど。

「ほっとけば動けるようになる。とりあえずアーリィさんが心配しているから帰ろう」

というか、この不可解な現象はなんだ?? ボロ屋敷が豪華な屋敷になっているんだが。


 「無理だ」イーグルは言い放つ。

「どんなに頑張っても生垣の外に出れない。あのジジババを倒さないと駄目らしい」


つまり。


 「出れないじゃないか」俺は呟いた。

ロー・アースを鼻であしらう強さのあの爺に勝てる気がしない。

「そーなる。あの時も不意を討ったから当たったんだ」イーグルはそういうと地面を蹴った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ