表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
166/323

8 イーグル(三人称)

 「おい。こっちだこっち」

少女の姿をした者は振り返った。

面倒なので、以後少女と表記する。


 よく見ると物陰に6歳ほどの幼児の姿。

ただ、姿に反して言葉遣いはハッキリしている。


 「だれ? 」

「俺か? イーグルってんだ」

少年はそういうと舌を鳴らして悪態をつく。

「……くそ! また取り込まれたのか! 」

少女は眉を顰めた。「どういうこと? 」


 「しっかりしろ! てめぇの名前を言ってみろ! 」「まりあ」即答。

少年は肩を竦めた。「くそったれ。あのジジババめ! しっかりしないとてめぇもこの屋敷に取り込まれるぞ! 」


 少女は不思議そうな顔をしていた。

「ねぇ。イーグルくん」少女の問いに「なんだ? 」と応える少年。

「蛮族の湖上都市? アシで地面を作ってる」

「……チチカカ市だろ。俺が言ってるのはジジババだ」

子供の姿をしているのに二人とも無駄に学がある。


 「てめえがさっきまで一緒に仲良く茶と菓子食ってた爺婆だろ! 」

「おじいちゃんとおばあちゃん? 」「他にいるかっ!!! 」

「おじいちゃんとおばあちゃんは悪い人じゃないよ」「悪い奴だっ! 」


 いいか。と前置きして少年が言う。

「この屋敷は俺の友達と其のお父さんとお母さんのモノだったんだが、

友達のお姉さんを追い出してあのジジババが居座っているんだ」

ふーんと少女が返事する。「お父さんとお母さんはどうなったの? 」


 遠くから老婆が少女を呼ぶ声がする。

「知るか! とりあえず気をつけろ! 信用するなよ! 」

少年は吐き捨てるように呟くと姿を隠した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ