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5 五竜亭

 「ぷらんぷら~ん♪」

楽しそうにはしゃいでいるグラスランナーは状況が理解できているのだかいないのか。


 「『浮遊』の術でも使うか?」友人の提案に「これ以上遊ばせるな」と青年は答えた。

「……おとなしい奴だな」「……逃げるどころか懐かれているぞ。友よ」

きゃっきゃきゃっきゃとはしゃぐファルコに呆れる二人の青年。



 青年はため息をついて歩き出す。その後にワイズマンが続く。

「重い」「今浮遊を使おうと提案しただろう」「目立つ」「背に背負うのはどうかね?」

「説教する相手を何故遊ばせる」「どうみても仲の良い兄弟だからだよ。友よ」

「どうみても初対面だ」「相変わらず子供に好かれる」「偶然だ」


 「公爵どのが目に入れても痛くないと公言している三女の心を射止めたではないか」

余計なことを思い出させやがって。と青年は苦笑した。

 「ありゃお前の機転だろ」「結果は結果だ」

「というか相手は13歳だ」「充分だ。あれはたいした美女になるぞ」

二人が駆け出しの頃、笑わない三女の微笑むところを見たいという公爵家の要望を叶えるために奔走した時の思い出をワイズマンは楽しそうに語る。


 「重い」首にかじりついてはしゃぐグラスランナーに苦言を示す青年。

グラスランナーは「おもくないもん!」と返す。

 「せめて軽量化の魔法でも」

「……魔導帝国時代の遺失魔術をさらりと使おうとするな」

本物の『貴族』は生来魔法が使える。


 「理論上は浮遊より遥かに楽なのだぞ?

遺失というより誰も使わなくなったと言うほうが正しいな」

ワイズマンはにこやかに解説する。魔導というのは学問でもある。

力があっても理論が伴わなければ制御が出来ない。


 「かけて~♪かけて~♪」

楽しそうにはしゃぐグラスランナーにワイズマンは頷く。


 だからやめろと青年。

「これから説教だ」


 ふむ。と呟くワイズマン。グラスランナーの容姿上、苛めにしか見えない。

「下手をすれば幼児虐待に見えるな。どうする気だね?」


 「ジャイアントスイングだ」「……」

「いっか~い!にか~~い!」「……」

三十回目の回転を華麗に決めて沸き立つ観衆に優雅に礼をする二人。


「何処が説教だ」とワイズマンは呆れていた。


 流石に目立つので場所を外すべきと考えたワイズマンは提案する。

「友よ。一杯やろうではないか」


 「……お前、本当に伯爵か?」「心外だな」

結局グラスランナーを背負っている青年にワイズマンは苦笑したが、青年は無視した。


 「今日は何処に連れて行ってくれるのだ?『猪狩亭』かね?『雷鳴の翼』かね?」

「……もう少しいいところで呑めよ」「人々の生の声を聞くのも貴族の仕事だ」


 少し考えた青年は嫌そうに呟いた。

両方ともこの友人が大暴れしてくれたのでしばらく出入りできそうにない。

「……五竜亭にでもいくか」「あそこは面白いな」


 「貴族様が残飯食っていいのか」

「父も私も小食でね。少量で良いと料理長には言っているのだが」

「ドワーフ火酒をガブガブ呑んだ挙句、大暴れしてよく言う」

「女性を助けるのは貴族の嗜みだよ。……あの店は良い店だったな。店主には悪いことをした」

「お前の親父のカミナリ……」「……あれは痛恨の出来事だった」

そろそろ。ほとぼりがさめたと信じたい。あの店主とは昔なじみなのだ。


 「ごはん?」

と言うグラスランナーにワイズマンは「そうだ」と返答する。

「わ~い!!」はしゃぐグラスランナー。


 「……喜ばせてどうする」

「さっきから揺らしてみたり回っていたりする君が言うことかね?」

無愛想に見えてこの青年たちは子供の相手が好きなのである。


 一行は門番の労をねぎらいつつ町を外れ、郊外の森の中に歩を進める。

「相変わらず美しい森だ。私のような俗物にも出入りを許してくださる国王陛下の慈悲に感謝せねばな」

爽やかな風に背を伸ばし、森の香りを愉しむワイズマン。


 「たまたま『五竜亭』が車輪の王国成立より前からあったからだろう」

青年はそう呟くと。嫌そうに続けた。「……フレアに挨拶していくか?」


 「……彼女の姿は少々子供の教育によろしくないな」

ワイズマンは以前、この親友と共に森の少女と出遭った事があった。

はじめ、娼婦かなにかと本気で疑ったものだった。

「蛮族の娘と思えば良いだろう」青年は酷いことを平気で言う。


 「酷いね。ロー・アース」

突如現れた少女にグラスランナーは特に驚いたように見えなかったが。


 「このおねーちゃん。寒いのにはだか」

こらっ!とロー・アースとワイズマンが叱責する。

「無視しろ。無視」「まねしなければ良いのだよ」


 「酷い。二人とも」

フレアはそういってふくれていたが二人が何事もなく通り過ぎようとするため、

すこしいじけたように地面にしゃがみこんで眼を閉じ、気を惹こうとする。


もちろん、二人は無視する。


 「ひどいひどい~~!ばかばかばか~!」

ドスンドスンという激しい音と少女の叫び。


勿論。二人は無視した。


 かまおうとするグラスランナーの首根っこを引っつかみ、

青年は歩を『五竜亭』に向けた。


……。


 「久しぶりだな。一ヶ月ぶりかな」

青年は楽しそうに鼻歌を歌っている。


 「うむ。ここの料理は食材さえ良ければ最高なのだが。

あの女将は是非我が家の料理人に欲しいところだ」

楽しそうにはしゃぐワイズマンと青年。二人ともなじみらしい。


 「……」

グラスランナーは少し戸惑った表情を浮かべていた。

当然、あの宿の中には両親がいる筈だ。


 視界がさらに開け、

三人の目の前に不思議な形の二階建ての塔のような建物が見えてきた。

漆喰が塗りきれていない石造りの塔はその石の古さから意外と古い建物であることを告げる。


 新品の綺麗な木製のテラスが張り出し、

新しい漆喰で表面を塗り固めて内部の快適さを向上させる工事を行っている途中のようだ。


「あれから一ヶ月か」青年はため息をつく。


「……父が弁償してくれたはずだ」


 「"貴族"が本気で暴れると凄いってことだけは解ったよ」

物凄い破壊だった。生きているほうが不思議だ。


 「砦並みに頑丈な建物だったから弁償代が安くついて助かった」

そういう問題ではない。


 「中の人間のほうがヤバかったんだが。特に俺が」

「今後、あのような事態になった場合、君の手を借りる事にする」

ワイズマンは悪びれた様子もなく答えるので、青年はため息をついた。


 「さて、出番だ。友よ」

『五竜亭』の扉を開けたワイズマンは楽しそうに言った。


 「……俺は何も見なかった」

青年はやる気なさげに返答する。


 三人の目に入ったものは、泣き叫ぶ黒髪の少女に抱きついて口づけを迫る禿頭の男。

傷だらけの黒髪の少年を押さえ込んで、そちらのほうを見せているチンピラ風の男たち。

呪いの言葉を吐きつける黒髪の少年。


 大方、店主が留守中にやってきたチンピラが少女に絡み、

それを助けようとした少年を袋叩きにした上で自由を奪って、

少年の目の前で少女を犯そうという腹なのだろうということは誰でもわかる光景である。


 「や。スカラー君」

ワイズマンは楽しそうに言葉を放つ。

ワイズマンの声は不思議に人々の耳朶に響く。そして人々の動きを止め、注意を引く。


 「なんだてめぇ?」

禿頭の大男が振り返る。


 「おいたしちゃ、めっ!」

いつの間にか青年の背中から消えていたグラスランナーが大男の足元にいる。


 大男は、いや、チンピラどもは声の主が分からず首を左右に振る。

そして足元の小さな妖精を見て笑いをふきだした。


 「なんだ?このおちびちゃんは?さっさとおうちにぇんな?」

チンピラどもは大きな声でゲラゲラと笑い出す。


 その注意が再びワイズマンに集まった。ワイズマンの声だ。

「そんなに睨まないでくれ。僕は生来臆病者でね。せっかくのズボンが小便まみれになってしまう」

ワイズマンは飄々とした口調で答えた。その腕には傷だらけの半妖精。

こちらもいつの間にかチンピラに捕まっていた少年を引き剥がしていたらしい。


 「立てるかい?君?」

ワイズマンが微笑むと少年は「ああ。大丈夫だ」と答え、

祈りの言葉を放つと彼の傷が瞬時に癒えていく。


 「ほう。慈愛の女神の使途か」

「慈愛の女神の使途にしては妙に喧嘩っぱやい奴だな」青年は無気力そうに言い放つ。

ガタガタと震える少年にワイズマンは「君は勇敢だ」と褒めた。


 「危うく掘られるとこだったな」

青年が言うと少年の青ざめた顔に少し赤みが入り、ズボンを直す。

「まぁ、安心したまえ。正義はそれほど捨てたものではない」

ワイズマンは半妖精にウインク。


 ワイズマンは小さな妖精族が大男の股間に向かって跳びあがり、

頭突きを放つ様子を楽しそうに眺め、ニコリと笑って席についた。青年も続く。

少年は戸惑っていたが、青年に背中を優しく抱かれ、少し頬を赤らめて従った。


 「おかみ。エールをひとつ……ふむ。女将はいないようだ。

スカラー君。悪いがエールを持ってきてくれないかね?」


 「おまえに女の噂がない理由がわかったよ」

震えるウェイトレスの肩をやさしく叩きつつ、手を取りながら青年は呆れながらぼやいた。


 「……いつも君といるからだと思うのだが?」「どういう意味だ?」

「男である以上、性欲がないというのはありえぬと普通の人間は思うものなのだよ」

「……間に合っているからな」「もう一年はたつのだろう?」

暗に同性愛者と間違われているという抗議で返された青年は不機嫌そうに返した。


「……一年でも五年でも大差ない」


 そういっていつの間にかカウンターの中に入っていた青年は、

ジョッキを置くと片手を添えてカウンターを飛び越えた。意外と高い身体能力だ。

「ほれ、ちょっとカウンターの奥から盗んできた」「おいおい。友よ。あの子のことはいえないな」


 青年から大きなジョッキを受け取るとワイズマンは一気にあおった。

「ちゃんと主人が帰ってきたら支払うさ」肩をすくめる青年。

「ふむ。よい心がけだ……樽ごと頼む」「……また店壊す気か?」


 ケロっとした顔でエールを呷る友人が、

以前の事にまったく懲りていないことに青年は深いため息をついた。


 「まぁ見物だしな」

自分達が店のモノ壊した代金払う必要ないし。

「がんばれ少年!」「みゅ!」


 ワイズマンの応援を受けたグラスランナーは

謎の返事を返してチンピラどもの足元を駆け抜ける。

よく掃除された店の石床をスライディングしながら彼らの股間を潜り抜け!


 「ちーん♪」


「……あれは痛いな」「ああ……」


男たちしか解らぬ痛みに悶絶するチンピラどもに同情する二人……。

そんな二人に危機が迫る。「あっ!]黒髪の少年が叫ぶ。


 「なに楽しそうに見物してやがるっ!」

ワイズマンに殴りかかろうとした男は激しく転倒。派手にテーブルにぶつかってのたうつ。

目に見えないロープに絡め取られて暴れる男の目には恐怖の対象としてワイズマンが写っていた。


 「寝ておけ」

パタンと倒れる男。


 「また魔法を使ったのか」

「要塞並みに頑丈な屋内で友人ごと火球爆裂ファイアーボールより平和的だろう?」

魔力があるのと、状況に応じて適切な魔法を選ぶ経験があるのは別問題だったりする。


 「学習したのだ。私も」「……」

自慢げにエールを呷る友人に呆れる青年。

その一方、椅子を足場にグラスランナーの豪快な飛びつき頭突きが男に決まる。


 「……俺も一杯呑もうかな。アキ。奥にいていいぞ?」

「つまみはないのか。友よ」「あそこで切れてるタコならいるぞ」


 二人の視線がテーブルや椅子の下をくぐり、

天井を駆け抜けて暴れるグラスランナーに振り回されるチンピラどもと、

「さっさと捕まえやがれ!」とぶちきれている禿頭の大男に向けられる。


 「あれはダメだ。腹を壊す」

ワイズマンは嫌そうに顔をしかめた。


 「贅沢いいやがって。鳥の串焼きならある……コカトリスの肉だが」

苦笑する青年。


ドカ!


「おお。これが高名な猫人風山の幸串焼きか!まさに珍味!」「……マジで何でも食うんだな」


バキ!


「こちらは力が沸いてくるな。以前食べたほうは健啖けんたんの薬効があるというが」


(てけてけっ!)

「こっちこっち~!」「がっ!餓鬼っ!待ちやがれ!」


「……ブリとイワシと真珠貝と貝イカの串なぞパクパク食いやがって」


「片足だけ待った」転ばせられてテーブルに激突するチンピラ。哀れである。


 「この焼き豆の出し汁ココアも力が沸くな。砂糖必須だが」「……貴重な食材をパクパクと」

「慣れないものは飲みすぎると吐いたり鼻血が噴出するほど滋養があるらしいが」

「本来、異国の儀式で用いられる強精薬らしいぜ。通常の強精薬の三倍効く」「ふむ」


スィーツ!


「……今変な音がしなかったか?」「さぁ?」


 「囲め!囲め!囲んで袋叩きだっ!」

その輪から華麗に飛びぬけ、連続でチンピラどもの頭にタップダンスの音。


 「見事な余興だな」

ぱちぱちと手を叩くワイズマン。


 「そろそろ終わりか」

青年が山串をのんびりと食べる。


 そのまま彼らの頭上から飛び上がり、舞い上がるグラスランナー。

鋭い回転を自らの身体に加え、高く高く。


「ごんっ!」


「「……」」


店の石天井に頭をぶつけて倒れるグラスランナー。


「……」


一撃を避けきれぬと脅えたポーズで固まっていた禿頭の大男がゆっくりと目を開く。


……。

「……」「……」串を咥えて固まっている二人。


 「ぽか!ぽか!」

気絶したグラスランナーを袋叩きにし始める男達。


 「……出番だな。友よ」

「……はぁ」青年は串をやる気なさげに投げた。


 その串はチンピラどもの服と壁とを縫い付ける。

「それぐらいにしておけ。てか、面倒だし」

そういって頭をボリボリかきながら首をかしげつつ立ち上がる。


 「なんだ貴様?」

十人以上の男に睨まれても青年は動じない。


 「しゃべんなタコ」

「……ぶっ殺せ」チンピラどもはナイフを抜いた。



 「"眠りの雲"よ」

……パタパタとあっさり倒れるチンピラたち。


 禿頭の大男以外は皆幸せそうに眠っている。

「……」

呆ける禿頭の大男。肩をすくめてみせる青年。


 「おっ!起きやがれ!」

手下を片っ端から蹴り起こす禿頭。

「あの魔導師野郎を殺せ!捕まえてしまえば魔法は使えない!」


確かに普通の魔術師は研究者や賢者なので格闘は苦手とするが。


 青年はテーブルを蹴り倒して壁を作りつつ、一人ずつ素早いパンチや蹴りで応戦する。

華麗な投げが決まり、椅子と激しくぶつかる。


 「がんばれ友よ」「手伝えよ……」

ひらひらと手をふるワイズマンに呆れる青年。

そのまま殴りかかってきた男に掌底打しょうていだを決めて膝の裏に足払いを入れて転ばせる。


 「な、なんでこんな、こんな餓鬼が!魔導師がっ!??腕っ節強いんだよっ!??」

バタバタと倒される手下どもを見て驚く禿頭の大男。彼もナイフを手に取る。

ナイフというよりショートソードに近い大振りの剣で前側に湾曲しており、

一撃で腕くらいなら切り落とせるナタに近い剣だ。


「てめぇぇっっ!!!!」一気に斬りかかる。


 「ほれ、素手では分が悪い」

ワイズマンが笑うと小さな棒切れを青年に手渡した。

「……」もうすこしいい武器はないのかと青年は呆れながら受け取る。


 ナタの一撃を間一髪でかわし、

喉元に棒切れで軽くつきこむ。「うっ?!」

「殺すつもりはないみたいだから殺さないぜ」

面倒だし。とは言わない。


 あっという間に武器をもった手を絡め取り、

肘を曲げさせて手首の間接を取って武器を落とさせ。

抵抗する大男に腕を持ったまま飛びつくように蹴りを入れる。


 腕を伸ばそうと抵抗していた大男だが、いつの間にか腕が伸びている。

首には青年の両脚。伸びた右手は手首を取られ激痛にもがきながらやがて失神した。


 「奇妙な体術だな」「首絞め腕ひしぎ逆十字と言うんだが」

「ふむ。それもカラーテとかコッポとかジュードなどと言う技かね」

体格に大幅に劣る青年が大男を容易に制したのは偶然でも青年が人間離れした身体能力を持っているわけではない。


 「……秘密だ」

「ふふふ。どうみても魔術だな。人間に学べる技だと言うのなら興味が尽きない」


 「人間にしか役に立たん。魔物の脅威のほうが恐ろしいのに学ぶ必要などない」

「老人介護に使えるとの話ではないか」

酒の肴に話したことでもワイズマンはいちいち覚えている。


 「か弱い乙女でも楽に重病人を運んだり出来るなら、慈愛神殿の高司祭が喜ぶぞ」

「……あいつの技だ」


 「ほう?!」

感歎するワイズマンにため息をつく青年。


 「それより、この肉のカタマリどもを放り出すのを手伝え」

邪魔だし。と言う青年に微笑むワイズマン。


 「"瞬間転移テレポート"」「……」

床ごとごっそり唐突に消えるチンピラども。椅子やテーブルも消える。足元から冷たい風が。


 「座標設定……というか移送先の魔方陣設定は……」「……忘れていたな」

青年は彼らの幸運を祈った。移送先に物質があればあの数だ。都市が消滅するほどの爆発が起きる。


「……爆発音が聞こえてこないから大丈夫だ。われらの国には被害はない」

「……」

そんな問題か。


 「おい。しっかりしろ~」

「へろへろ~」

グラスランナーは酷い怪我だが命に別状はない。


 「噂どおり、筋肉及び骨格組織は流石に頑丈だな。

人間と比べて傷も治りやすいというが興味が尽きな……」

「解剖するなよ?」


釘を刺す青年。


 わかっているさ。

肩をすくめるワイズマンだが、その顔は明らかに残念そうにしていた。

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