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3 巨人族の赤ちゃん

 「だぁ」どすんどすん。

「ばぁ ばぁ ばぁ」どかんどかん。


 「近づくだけで危険なんだが」

ロー・アースが戸惑っている。


 「だねぇ」

そういうファルコは『赤ちゃん』の寝返りで絨毯に埋まってしまった。

彼が見た目通りの人間の幼児なら大怪我している。

グラスランナーは骨格も筋肉も人間とは比べ物にならないほど頑丈でしなやかだ。

よって、全身骨折の危機をファルコは免れた。


 全身骨折の代償に絨毯(絨毯の素材の糸って値段がエラく高いんだが)に埋まっているファルコ。

ちなみに、絨毯も表面の毛だけで5センチ以上あって、やたらめったら動き難い。


 「泣き出したらどうするんだよ」マジで。

「暴れだしたら? 『平和』があるじゃねぇか」

ロー・アースが言う『平和』は『慈愛の女神』の『使徒』が使う奇跡の中では代表的なものだが。

「戦意を削ぐことはあっても、愚図った赤ん坊をあやす魔法じゃない」そもそも俺まだ使えない。

「まいったな」ボリボリと頭を掻く彼とため息をつく俺の前では。


 ファルコを捕まえてぶんぶん振り回し、ご機嫌な赤ん坊の姿があった。

ファルコは大喜びしているが、繰り返すけど人間の幼児なら死んでいるか、大怪我である。

あ、絨毯に叩きつけられた。やばい。助けないと。


 「かわいいねぇ~ 」

大怪我なのだが、ニコニコ笑っているファルコをみて、

「コイツは、物語の主役になれる」と俺は確信した。

「影の薄い主人公になりそうだな」とロー・アースが突っ込むと、

巨人の赤子に絨毯に叩きつけられても泣かなかったファルコが涙目になった。

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