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5 ふわふわしっぽをつつかないで

 「荷台かなにかを用意しないと運べないなぁ」

流石にトラもどきを直接馬に乗せるわけにはいかない。


 「あんまり長持ちしないから、早くするの」ファルコが急かす。

「衛視たちを呼んで、猛獣枠で捕まえてもらうか? 」ロー・アース。コレ、衛視たちの手に負える化け物じゃない。


 俺はファルコから受け取ったイヌハッカの葉を固めて作った棒切れ? ……を巨大猫に嗅がせながら考える。

こうしていれば猫の眷属はおとなしくなるらしい。便利な棒だ。


 「ごろごろごろ」 

喉をかいてやるとクルクル動いて可愛い。異常にでかいのを気にしなければ普通の猫だな。


 「肉屋さんから荷車借りてきたの~」

おし。よくやった。ファルコ。さっさと乗せて運ぶぞ。


 「……どう乗せるんだ」

ロー・アースが口元を『ヘ』の形にしている。


 「ほーれほれ♪ よーしよし♪ 」

俺がイヌハッカの葉を固めて作った棒切れでおびき寄せるようにすると巨大猫は勝手にゴロゴロ転がって荷台に乗ってくれ


た。よしよし。いい子だ。


 「……はい。通りますよ。集まってこないで!! 見世物じゃないんだから! 」

超巨大猫を荷車に乗せて馬で引っ張って運ぶ三人組はどうみてもめちゃくちゃ目立つ。


 ファルコの知り合いの肉屋がその様子を見て。

「ファルちゃん??!! そいつを捌くのか??! 」違う!


 ……ってまてよ?

「いくらになる? 」冷静に考えたらこんな化け猫、依頼とは関係ない。

「うーん。犬猫を珍味って言って喜ぶ連中もいるにはいるけどねぇ……」肉屋も渋る。

そんな蛮族、少数派だろ。悪食の餓鬼族なら知らんが。


 「あれか、困ったときはワイズマン……さまの家に押し付ける」

「お前、人の友人の実家を何だと思っているんだ」ロー・アースは苦笑いする。彼にしては珍しい。


  おっと、イヌハッカ棒を巨大猫の鼻先に当てておかないとやばい。

「ゴロゴロゴロ……」う~ん。サイズに目を瞑ればとてもかわいい。


 「ふっかふか~」ファルコが巨大猫に抱きついている。

あ、いいな。どんな毛布よりあったかそう。


 「もふもふ」俺もちょっと便乗。恐る恐る触る。

「ふわふわ」あ~楽しい。


 「う~んう~ん」肉屋はまだいたらしい。

「……サーカスあたりに引き取ってもらうとか」

意外と飼いならすのも手間じゃなさそうだし悪くないアイディアだ。


 ……知らない間にロー・アースも巨大猫の喉を弄って遊んでいる。「とりあえず、依頼人に報告だな」

俺も一言。「依頼の邪魔をしていた存在がいたことを報告すればフレアやレッドたちも少しは浮かばれるだろう」


「死んでないの」「バドは沈んでいたじゃねぇか」

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