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12 説教タイム。はじまるよ~?!

 簀巻きにされた「不審者」どもを説教するカレン。

その中には出来の悪い仮面をつけた娘もいる。

(その正体はあえて誰も突っ込まない。もちろん、仮面をとる奴もいない)


 『破壊の女神』の使徒たちはあれほどの大騒ぎをおこしたのにも関わらず、

大した怪我人もなく、参列者は全員無事だった。

まぁ、あんだけチート人間ぞろいで、うちの神殿の女どもも加わってるし。

まともに考えて敵のあの戦力。……小さな町など余裕で皆殺しのレベルだったので幸運だった。

なぜか説教されている中に莫迦伯爵親子がいるのはご愛嬌だ。

俺たち? もちろん正座させられてます。ええ。


 「神殿の外でやってくださいと頼んだのに」

ため息をつく「『しろばらかめんさん(仮名)』。


 「うっさいです。『鋼の鍵』をかけた連中が悪いんです」

『鋼の鍵』は扉を含む構造物に鉄の強度を与えると共に、

『開錠』や『魔法解除』の魔導か、コマンドワードを唱えぬ限り開かないようにする魔導士の術だ。

勿論、人間が蹴破ることとか……無理。アレは幻だったんだ。うん。


 「リア充を殺すためにやった」なんすか。その妙な言葉は。

つかまった『破壊の女神』の使徒どもは意外とあっさり犯行を認めた。

なんでも、この都市は古代の遺跡の上に建っていて、五大神殿は『邪悪』を封じる位置に立っているそうだ。


 「つまり、最も祝福を与える結婚式こそ」

最も、「封印」が緩むといいたいらしい。


 「だが、その位置は良く解らぬゆえ」手薄な庶民の結婚式を狙ったということか。

「でも、なんで花嫁さらったんだし、生贄とか……手篭めにしなかったのさ」

もっとも、破壊の女神の使徒は生娘への婦女暴行を行わない。生贄にしたほうが良いからだ。


 首謀者のコイツ、妙に気さくだ。下手すれば浮いて逃げるので物凄い数の鎖と錘がついている。

「我らの目的は真の神殿の位置よ」ふむ。まさか。


 「お前ら全員童貞?? 」「ぶはっ!!! 」

そっか。そうだよな。


 「そうか。そうか。いい店を紹介してやる! 代金はこっちの男が」「いい加減にしてください」

アーリィさんが微笑みながら親父を睨む。珍しくうろたえる親父。

うちの親父がうろたえるとは。なかなかの傑物だな。アーリィさん。


 「破壊の女神の使徒。まぁ全員存在しているだけで斬首だが」ロー・アースが苦笑している。

「どうする? 凄い不祥事なんだろ? 」笑いかけられてむくれる「しろばらかめん」さん(仮名)。


 「……そうですね。このまま正義神殿に連れて行って……斬首ですね」「ひぃぃぃっ??! 」

参列者全員を生贄にしようとしたんだし、当然の報いだろう。ジェシカが切れるのもやむなし。


 「まぁまぁ。童貞に悪い奴はいない」「そうっすよ! 」

お前らは黙ってろ。グローガン。

というか、金に目がくらんでうちの神殿まで襲うとかバチ当たりにも程がある。

まぁ一瞬で叩き伏せられたので俺でも顔見知りと気づかなかったが。


 「……貴方たちは戦神神殿で奉公はどうでしょう? 」

「ひぃぃぃつ??! 勘弁してくださいよっ! 」

モニカはにこやかに微笑んでいるが、絶対怒ってる。


 「……説明するてま、はぶけちゃった」

しょんぼりしてるファルコ。いや、お前は一人でよく調べた。


 「えっとね」

ファルコはとんでもないことを言い出した。

「あのね。これね。ぼくのせい」へ???


 「けっこんしきをじゃますると、いいことがあるよって、このおっちゃんとグローガンさんを騙したの」「……」

「はるまつりとなつまえの。冗談だったの。ごめんね」「……」


 勿論、春祭りでも『冗談で済む嘘』しか許されはしないらしいが。

その『嘘』の所為で正義神殿は毎年大混乱なのも事実らしい。

(やかましい聖女ドミニクが今回いなかったのもその所為だ)


 「ごめんね。ごめんね」

泣いて謝るファルコ。……おい。今目に唾つけたの見えたぞ。


 呆然とする『破壊の女神』の使徒とグローガンたちは

その小さな命の恩人を神の子をみるかのような目で眺める。


 「はくしゅなの」「……握手ですかい? 」「そうともいう」

「だましてごめんね~」と言うファルコの手を握り泣いて謝る『破壊の女神』の使徒たちとグローガンヤクザモノ一家。


 カレンはこの茶番、あっさり嘘と見抜いた……が。

「なら、罰を与えます。宜しいですよね? 高司祭さま」

「もちろん」ぐるぐる巻きのこの空間最大の不審者はあっさりとそう答えた。

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