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1 六月の花嫁

 どうしてこうなった。どうしてこうなった。

白いスカートはこれでもかと言うくらい貴重な糸を無駄遣いする刺繍が施され。

頭には精霊使いのフレアの使う真鍮のサークレット。

首にはエルフの『ぎんのかぜ』……シルバーウィンドが貸してくれた木の実でできたネックレス。

指には盗賊のジェイクからもらった魔法の指輪。

手首足首にはシャラシャラ綺麗な音が逆にムカつくチャクラム兼ブレスレットとアンクレット。


 「すっご~~い!!!物凄く綺麗っ!!! 」アキが五月蝿い。

「見事に化けたな」エイドさんがため息。

「……やっぱり半妖精だけあって……」それ以上は言わないでください。アーリィさん。


 それをつけているのは。俺だ。俺!!

「……黒髪黒目がどうこういったら店変えます」「あらあら」

アーリィさんは相変わらずのニコニコ顔で心が読めない。


 「……それ、ちょっと酷くない? 」

アキが文句を言う。


 「うっさい! 泣くぞっ!!! 」

俺は怒鳴りつける。というか泣きそうだ。


 「……ちょっと。チーア」アキがニコニコ笑っているが。

なんだ?たれ目にたれ眉の……眉がピクピク動いているというか……怒気をはらんでいるというか。

「……『アレ』の嫁役なら私がなってもよかったわけだけど? 」お前の趣味おかしい。


 俺の隣にたつ青年(驚くことに青年に見える。化けるものだ)も髪を綺麗に切り、

ボサボサ頭に油を塗って髪型を整え、貴族のような服を着て……どうみても美青年に見える件。

勿論。ロー・アースだ。


 「あら。素敵。再婚しようかしら」

アーリィさんがニコニコ笑いながら言うのでロー・アースとエイドさんの表情が凍る。


 「冗談よ」

そういって舌を出す。そして何かの領収書をエイドさんに渡した。

あわてて言い訳しだすエイドさん。ナニをした。……怖い。怖いです。


 アキの母親はメイと言う。20代半ばに見えるが娘の年齢を見れば実年齢はなんとやら。

彼女は俺とロー・アースが(偽装)結婚すると聞いて寝込んでしまった。

「まさか、『白百合の君』と言われた私が男に負けるなんてっ!!! 」と叫んでいたが。

だれだ。そんな恥ずかしいあだ名をつけた奴は。俺なら悶絶死する。


 「じゃ、慈愛神殿にいってね」そういって追い出されるおれたち三名。

途中、ファルコがついてくる所為で色々詮索される目で見られたが。

コブつきにしては若すぎるだろ。俺!

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