エピローグ アキにもいえない話。そしてエンディング
「ねぇ。一緒にいかない?」
皆の前から俺の手だけをひっぱり、遠くの路地に誘い、シャルロッテはそういった。
俺は黙って微笑んだ。
たぶん、無理だろう。願わくば、彼女の道が血で染まらんことを。
「…残念ね。一番年が近いのがトリスタン兄さんで、6歳も違うもん」彼女は苦笑いした。
ね。といって近づく。そしていきなり胸元に抱きつき、頬ずりした。
「!!!!!!!!」戸惑う俺。
シャルロッテは意味ありげな表情を浮かべた。
「やっぱり。女の子」と呟き、そして笑った。
そういえば朝からずっとサラシを巻き忘れていた。ばれて当然である。
「チーアちゃん。すっごくステキだったよ。チーアちゃんが男の子だったら好きになるくらい」
それは素直に嬉しい。
「でも、私にはトリスタンがいるから…ふふ。きっと幸せになるの♪」
日々の暮らしで薄々気がついていたが俺も応援する。あいつは少々変態だが、悪い男ではない。
15と21ってどうかと思うが。どうなんだ?!!それ!!
「さようなら!今度会ったときも友達でいようね!」「そんなの、応えるまでもないさ!」
シャルロッテは意味ありげな笑いを見せた。
「ローさんと幸せに!」
「ええええっ!!!ちがうちがうちがう!!!奴はそんなんじゃない!」
俺の抗議を彼女は笑ってかわし、馬車に飛び乗った。
馬車は街を出て行く。
一座は旅立った。俺達はお互いが見えなくなるまで手を振り合った。
騎士達は国許に帰っていった。まだ終わらぬ戦争をいつか止めるために。
そして俺達は。
「もきゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!僕のごはん〜〜〜!!!!!!」
ファルコが叫ぶ。
「それは俺のおかゆさんだっ!!!!」
ロー・アースも譲らない。
「ええい!静まれ!静まれ!この聖なる印が目に入らんか!この鉄パンの粥は俺がいただくっ!」
……相変わらずである。進歩?なにそれ?
もし、郊外の森の中に小さな冒険者の店があったら、迷うことなく俺達を指名して欲しい。
きっと、願いは叶うから。
ただし、『余計なオマケ』については自己責任で!
(Fin)