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7

それから、東の国の王子と西の国の王子と南の国の王子はカナリアを捕まえてドラゴンの所に行きました。

兵士達がドラゴンを取り囲んでいます。



東の国の王子は言いました。


『この小鳥はカナリア姫であろう』


ドラゴンが口を開きます。


――いかにも。



西の国の王子は言いました。


『さあ早くカナリア姫にかけた魔法を解いて元に戻すのだ』


ドラゴンが口を開きます。


――戻してどうする?



南の国の王子は言いました。


『人間に戻ったカナリア姫に我々の中から結婚相手を選んでもらうのだ』


ドラゴンが口を開きます。


――なるほど。


ドラゴンは轟々と音を立てて喉を鳴らしました。



それからカナリアに息を吹きかけました。


すると、カナリアの羽が吹き飛び、カナリア姫が姿を現しました。


しかし、その姿は傷だらけでした。髪は乱れ、服は破れ、所々血が滲んでいました。


カナリアの姿で追いかけられた時に傷を負ったのです。



カナリア姫は静かに言いました。


『私は誰とも結婚しません。私は貴方がたと結婚するよりもドラゴンの側で歌を歌っているの方が心穏やかに過ごせますから』


それを聞いたドラゴンは轟々と音を立てて喉を鳴らしました。



そして、鋭い爪でカナリア姫を掴むと大きな咆哮をあげて、空高く飛んでいきました。


それきりドラゴンとカナリア姫の姿を見た者はいません。



しかし、静かに風の音に耳を傾けていると心が穏やかになるのは、今でもどこかでカナリア姫が歌を歌っているからなのですとさ。



めでたしめでたし。

サイト“へのへののもへじ/紳士と熟女のための挿絵のある童話”より、文章のみ(少々修正を加え)お引越ししました♪

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