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カナリア姫が口を開こうとした時です。


お城の広間に来客を告げるラッパが鳴り響きました。


広間の扉が開くと、立っていたのは南の国の王子でした。


南の国の王子は言いました。


『カナリア姫、どうか自分と結婚して下さい。そして、どうか自分だけのために歌を歌って下さい。

貴方をお后にできるのなら、自分は世界で一番立派なお城を建てて貴方に捧げます』


カナリア姫は王子の顔をじっと見つめ、静かに首を横に振りました。


南の国の王子は言います。


『他に何かお望みがあるならどうぞ申し上げて下さい。貴方の望みならばどんな願いも叶えて見せましょう』



カナリア姫が口を開こうとした時です。



東の国の王子と西の国の王子と南の国の王子は一斉に口を開きました。



そして主張しました。


自分がいかにすばらしい贈り物を持ってきて、いかにカナリア姫を愛しているかという事を。


サイト“へのへののもへじ/紳士と熟女のための挿絵のある童話”より、文章のみ(少々修正を加え)お引越ししました♪


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