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新たな楽園の影
巫女の人としての心が戻った――だが、背後で堕天使は影のように笑っていた。
「愛が呪いを越えたか……面白い。しかし、まだ終わりではない。」
闇の翼を広げ、彼は静かに二人に近づく。
「この世界の秩序は、私が決める。お前たちの愛など、試練に過ぎぬ。」
巫女は主人公の腕にしがみつき、金色の瞳を堕天使に向ける。
「……あなたには、私の愛を踏みにじる権利はない!」
だが、堕天使の笑みは消えず、むしろ楽しげだった。
「まだ神の欠片は完全ではない。愛の力は確かに強い――だが、その代償を知るがいい。」
黒い光が周囲に漂い、楽園の空気が歪む。
花々は血の色に変わり、紅の月がさらに赤みを増す。
主人公は巫女を抱きしめ直し、胸の契約の印を光らせる。
「代償が何だろうと、俺はお前を守る!」
巫女の瞳もまた決意を宿す。
「私も……あなたと共に戦うわ!」
二人の愛と意志が、再び闇に立ち向かう光となり、堕天使の力を押し返す。
しかし、彼の目にはまだ笑みが残り、真の試練はこれから始まることを告げていた。




