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禁忌の真実
祭壇の松明が、不気味に揺れている。
その炎は赤ではなく、まるで血と影を混ぜたような黒紅に染まっていた。
主人公の問いかけに、巫女はしばし沈黙した。
だが、やがて観念したように唇を開く。
「……私の呪いは、ただの祟りや神罰なんかじゃない。」
その声は震えていた。
彼女が告げたのは、あまりに残酷で、あまりに禁忌な真実だった。
「私の血には――“神の欠片”が封じられているの。」
古代の神々が戦乱の果てに滅んだとき、その魂の一部は人に植え付けられた。
巫女はその血を継ぐ者。
だからこそ、彼女の存在そのものが呪いであり、同時に神を呼び戻すための器だった。
「私が愛を知れば、神は目覚め、世界は滅びる。」
「だから……誰も愛してはいけない。あなたのことを思えば思うほど、私の中で眠る神が蠢くの。」
その言葉に、主人公の胸に契約の印が熱を帯びた。
まるで彼女の告白に呼応するように、堕天使の笑い声が頭の奥で響く。
――なるほど。愛と呪いは表裏一体。
お前が彼女を救うほど、この世界は崩壊に近づくのだ。
主人公は震える巫女の肩を抱き寄せた。
禁忌を知ってなお、愛を選ぶのか。
それとも――彼女を拒絶し、世界を守るのか。
答えは、もう遠くない。




