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巫女の嘆き
闇に沈む祭壇。
契約の印を刻んだ主人公の前に、巫女が姿を現した。
彼女は、かつてと変わらぬ美しさを宿していた。
だが、その瞳は氷のように冷たく、声もまた無情な響きを帯びていた。
「……あなた、どうしてそんなものと契ったの?」
吐き捨てるような言葉。
彼女の顔には怒りも悲しみもなく、ただ無関心の仮面だけが張りついていた。
主人公の胸が締めつけられる。
救うために選んだはずの契約が、彼女に拒絶されるなど――。
「私なんて、救う価値もない。呪われた女に囚われるなんて、愚かだわ。」
突き放す声。
けれど、彼女の手がわずかに震えているのを、主人公は見逃さなかった。
冷酷な言葉の裏に、誰よりも強い愛と恐怖が隠されている。
――私を救おうとすれば、あなたまで呪いに飲まれる。
そう言いたいがための、冷たい拒絶。
主人公は、胸の奥に宿る黒い力を感じながらも、彼女の手を取った。
「……何度拒まれても、俺はお前を救う。」
その決意に、巫女の瞳がかすかに揺れ、押し殺していた涙が零れ落ちる。




