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背徳の契約
黒く染まった翼に包まれ、主人公は逃げ場を失った。
柔らかく、けれども冷たい羽根の感触は、心臓を掴むように圧迫してくる。
「答えを出せ――私と契るか、それとも彼女を滅びに委ねるか。」
その声は甘美でありながら、刃のように鋭く胸を突き刺した。
目の前の存在は、かつて神の使いだった天使。だが今は、堕ちゆく闇の誘惑そのもの。
主人公は震える手を握りしめ、彼女の姿を思い出す。
呪われた巫女として苦しみ、涙を流しながらも笑顔を向けてくれた彼女。
――救いたい。
その想いだけが、彼の中で燃えていた。
「……俺は、お前と契る。」
その瞬間、黒翼は歓喜に震え、甘く熱い囁きが耳を溶かすように流れ込む。
唇が触れた瞬間、背徳の印が彼の胸に刻まれ、血と共に契約は果たされた。
だが同時に、どこかで巫女の悲鳴が響いた気がした。
救済か、破滅か。
答えはまだ誰にも分からない――。




